世界遺産と美しい海を未来へ 宗像・地島でビーチクリーン
福岡県宗像市の地島で2月25日、ビーチクリーンにより海の環境保全を図る活動が行われました。宗像市では1年にわたり、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産登録5周年を記念する様々な事業が行われてきましたが、この日の活動が記念事業のフィナーレとなりました。
200人で海岸を清掃
ビーチクリーンは福岡県や宗像市などで構成する「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会が主催。西日本シティ銀行や湖池屋、九州大学大学院など宗像市と関わりのある企業・団体と島民らを含む約200人が参加しました。
ビーチクリーンの活動を行った地島は、ワカメが特産品として知られ、宗像大社を通じて皇室に毎年献上されるほどの品質です。地島は、世界遺産群の緩衝地帯に位置していることから、遺産群を育んだ海への感謝を込めて海岸をきれいにしました。
海外からも漂着ごみが
1時間ほどの清掃活動で、ペットボトルや発泡スチロールなどのごみが続々と集まり、主催者が用意した回収ネット500個をすべて使い切る量に。想像以上に膨らんだごみの山を前に参加者からは驚きの声が上がりました。
九州大学大学院によるペットボトルの排出国調査では、集まった296本のうち47%が国内、40%が中国・台湾、10%が韓国、3%がベトナムやタイなどその他の国という結果に。島には国外からも多くのごみが流れ着いていることがわかりました。
活動後、県の担当者は「海には年間800万トンのごみが流出していると言われており、漁師にも影響が出ています。今後も多くの人に清掃活動に参加してもらえたら」と話していました。