【熊本】水俣市SDGsロゴ完成 「ヒメタツ」モチーフに

 国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」の推進に向け、熊本県水俣市が地元の海で見つかったタツノオトシゴの新種「ヒメタツ」をモチーフにしたオリジナルのロゴマークをつくった。デザインは辰(たつ)年生まれの水俣第一小5年、山田結理さん(11)が考えた。2024年の干支(えと)にも重ね、市は「飛躍の年にしたい」との思いを込める。


完成したロゴマーク


 市は2020年に内閣府が取り組む「SDGs未来都市」に選ばれ、情報発信の一環でデザインを募集。SDGsを象徴する17色を使う前提で、580点の応募から選んだ。


 山田さんの原案はヒメタツの顔や頭、尻尾を17か所に色分けし、丸くなった尻尾でハート、卵を地球に見立て、背びれで「minamata」をかたどった。実際のロゴマークは、ピンバッジにするには細かな技巧が難しく、ややすっきりした格好となった。

 ヒメタツは地元のダイバー森下誠さんらが発見し、17年に新種と判明した。山田さんがアイデアを練り、尻尾の図案は「恋人の聖地」と呼ばれる親水護岸の一角にあるハート形のモニュメントから着想。完成品にもしっかりと残った。

 発表会は12月22日に市役所であった。他の入選者と表彰状を贈られた山田さんは、「水がおいしく、自然環境もいい水俣のことを知ってほしい」と笑顔で話した。

 同市では水俣病の教訓から20種類以上のごみ分別などを官民一体で続けている。高岡利治市長は「市の取り組みが一目で分かる。積極的に情報発信したい」と力を込めた。


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