【山口】やまぐちタクシーアプリ実験開始 配車が便利に

 山口市内のタクシー事業者10社が参加する配車アプリ「やまぐちTAXIアプリ」の実証実験が、市内全域を対象に始まった。全国的な運転手不足の影響で市内でも時間帯によっては配車できない状況が発生。アプリによる配車の効率化を図り、利便性の向上を目指す。


山口市で実証実験が始まったタクシーを呼び出す配車アプリ

 スマートフォンでアプリを起動すると地図が表示され、利用者は乗降地点を入力する。間もなく人工知能(AI)によって利用者の近くにある空車が手配され、画面上にタクシーの現在地と到着時刻が案内される。

 アプリは、デジタル技術で社会課題の解決に取り組む県の補助事業として、下関市に本社を置くタクシー事業者・山口第一の関連会社REA(レア)(東京)が独自に開発した。今年度の事業費は約1800万円。

 山口市内では、コロナ禍の前後でタクシーの運転手が2割ほど減り、平日の深夜を中心に配車の要望に応えられない事態が生じている。各社とも単独で対応するには限界があり、アプリを通じて10社に一斉に手配をかけ、利用者の周囲を走る車が駆けつけることで、待機時間の短縮が期待できるという。


「やまぐちTAXIアプリ」を起動したスマートフォンの画面


 実証実験は3月末で終了するが、期間後もアプリの運用を継続する方向で検討している。県は予約に応じて最適なルートを走らせる乗り合い型の「デマンド交通」でアプリを応用し、2024年度にも公共交通の維持が難しい中山間地域での導入を見据えている。

 REAの坂田敬次郎社長は1月15日の記者会見で、「利用者の満足度や運用手法を検証し、対象が全県に広がるよう利便性の向上に磨きをかけたい」と述べた。


advertisement