【山口】下関・海響館で夜景演出 臨海部の魅力向上へ
山口県下関市は3月、関門海峡に面し、市役所に近いあるかぽーと地区で市立しものせき水族館「海響館」一帯をライトアップするといった社会実験を行う。総合リゾート運営会社・星野リゾート(長野県軽井沢町)が同地区に建設中のリゾートホテルが2025年秋に開業するのに合わせ、新たな観光資源との相乗効果で観光客を引きつけるとともに、市民にも楽しんでもらいたい考えだ。
リゾートホテルが立地するあるかぽーと地区には、海響館や親水緑地、高さ約60メートルの観覧車などを備えるアミューズメント施設「はい!からっと横丁」がある。近くの鮮魚などが取り扱われる唐戸市場は年間約120万人(2022年度)が訪れる。
市は、2023年2月に策定したマスタープランで、あるかぽーと・唐戸エリアを中心に「日本を代表するウォーターフロントシティ」を構築する目標を掲げている。今回の社会実験はその実現に向けた第1弾で、魅力的な夜景の創出を図る。
海響館のライトアップは3月15~31日の午後7~10時。正面玄関や壁面、大型ガラス面、遊歩道のほか、隣接する親水緑地を、計174台の照明器具を使って多様な色の光で照らし、幻想的な雰囲気を演出する。
また、15日午後7時頃にはポンプでくみ上げた海水を岸から海に向かって放水し、3本のアーチ(高さ約20メートル、長さ約20メートル)を作る。7色の照明を当て、海事関係者が、船の往来に影響しないか確認する。16日にも午後4~9時に30分間隔でアーチ1本を照らし出す。
16日は、一般客を対象に「サンセットクルーズ」も企画。午後6時15分から約40分間、関門汽船(北九州市門司区)のクルーズ船で関門海峡を遊覧し、巌流島や関門橋、ライトアップや放水の様子を見学できる。参加無料で定員40人程度。希望者は市エリアビジョン推進室(083ー231ー5838)に申し込む。3月8日締め切りで、応募多数の場合は抽選となる。
市は今後も様々な取り組みを展開する方針だ。前田晋太郎市長は2月26日の定例記者会見で「エリアを生まれ変わらせる。唐戸市場を訪れる人の誘引も図りたい」と話した。