【山口】海響館に新水槽 クサフグの不思議な生態を紹介
山口県下関市あるかぽーとの市立しものせき水族館「海響館」に3月、波打ち際で集団産卵する不思議な生態で知られるクサフグを紹介する水槽が新設された。県近海で珍しく捕獲されたヒトヅラハリセンボンも併せてお目見え。同館は「どちらもフグの仲間で珍しい展示。ぜひ見ていただきたい」と呼びかけている。
同館によると、クサフグは体長10~20センチ程度で、初夏の大潮前後に波打ち際に群がり、雌が産卵すると雄が一斉に精子をかける。体を激しく動かし水しぶきを上げる光景が見られ、県内では光市・室積半島の鼓ヶ浦海岸一帯が産卵地として県の天然記念物に指定されている。
同館はクサフグの生態を広く知ってもらおうと、水槽の設置を発案。同館前の海で飼育員らが釣った約70匹を、波打ち際の石の斜面を再現した水槽に放している。上部には説明パネルがあるほか、産卵の様子を紹介するビデオも流れており、足を止めて見入る入館者が多い。
ヒトヅラハリセンボンも
ヒトヅラハリセンボンは沖縄などの温帯、熱帯の海域に生息。展示している4匹は長門市沖の定置網にかかり、漁師から同館に寄贈された。体長20センチ前後で、背中の模様が人の顔のようにも見えて顔に愛嬌(あいきょう)もあることから“珍客”として人気を集めそうだ。
見学には入館料が必要。問い合わせは海響館(083-228-1100)へ。