【山口】「美肌の湯」周南・湯野温泉に新施設がオープン

 「美肌の湯」として知られる山口県周南市の湯野温泉に、貸し切り風呂やカフェを備えた施設「湯や晴(は)ル音(ね)」が4月オープンした。廃業した国民宿舎湯野荘跡を地元の民間法人が活用し、新たな観光の拠点として整備した。コロナ禍が明けて人の流れが戻りつつあることを見込み、温泉地の活性化につなげる狙いだ。


湯野温泉に完成した「湯や晴ル音」

貸し切り風呂やカフェ

 施設は二つの貸し切り風呂やカフェ、縁側に足湯を併設した新築の木造平屋(199平方メートル)と、大浴場の鉄筋コンクリート造り平屋(397平方メートル)などで構成。大浴場は湯野荘の浴場棟を改修して再利用し、露天風呂を新設した。38台収容できる駐車場も備える。


貸し切り風呂を披露する西田代表理事

 地元の旅館組合や自治会連合会の代表者らでつくる一般社団法人「おいでませ湯野」が整備し、運営を担う。総事業費は約2億円で、一部は国や市の補助金を充てた。開業初年度は年間約7万人の利用を目指す。


完成した観光振興拠点施設。カフェなども併設している

 利用客数の減少で、湯野荘は2022年3月に廃業。運営継続を望む地元の観光関係者らの声を受けて同法人が発足し、市から敷地と建物を譲り受けた。当初は23年秋のオープン予定だったが、事業計画の変更や資材価格の高騰などで着工が2023年11月上旬になり、3月に完成した。

 同法人の西田宏次朗代表理事(52)は「誰でも気軽に立ち寄れる雰囲気にこだわった。観光客や地域の人たちに親しまれる施設になってほしい」と期待している。


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