【鹿児島】フューチャーズが日本一! 知的障害者サッカー

 知的障害者のサッカーチーム「鹿児島ユナイテッドFCフューチャーズ」が、3月に行われた「第21回全日本知的障がい者サッカー選手権大会」で優勝を飾った。2019年のチーム発足以来、初の日本一のタイトル獲得。選手たちは「応援してくれた人たちの後押しが力になった。今後も技術を磨きたい」とさらなる飛躍を目指す。

チーム初 九州代表としても初の快挙


日本一に輝いたフューチャーズの選手ら(提供:鹿児島ユナイテッドFC)

 フューチャーズは19年2月、Jリーグのクラブが所有する全国2例目の知的障害者チームとして発足。現在は特別支援学校の生徒や社会人ら13~34歳の約30人が在籍する。

 大会は日本知的障がい者サッカー連盟が主催で、3月16、17日に岐阜県で開催された。各地域のリーグ戦を勝ち上がった計6チームが出場し、フューチャーズは九州代表として戦った。

 予選リーグは2組に分かれて実施。1試合目は静岡県選抜に4―1で快勝した。2試合目の栃木県選抜戦は接戦になった。1―1で迎えた後半に勝ち越しを許したものの終盤に同点に追いつくと、アディショナルタイムに決勝点を決めて3―2で逆転勝ちを収め、リーグ1位で決勝進出を決めた。

 決勝では、大阪府選抜を圧倒し、8―0で優勝した。FW折田慎典選手(20)が4得点、MF下鶴掛夢選手(19)が3得点を挙げる活躍だった。同大会での九州代表チームの優勝も初めてという。

悲願の優勝「悔しさを晴らせた」

 フューチャーズにとって、同大会での優勝は悲願だった。2023年10月に地元・鹿児島で開催された全国障害者スポーツ大会(全障)で3位に終わったからだ。選手たちは課題だったヘディングやトラップの技術向上に励み、試合形式の練習を増やすことで的確な状況判断力を磨き、チーム力を高めたという。

 泉谷光紀監督(40)は「これまでチームを応援してくれた皆さんのおかげで優勝できた。『全員攻撃、全員守備』というスローガンで練習を積み重ねてきた成果が出せた」と話す。下鶴選手は「ずっと狙っていた日本一。全障で味わった悔しさを晴らすことができた」と喜ぶ。

 2024年の全障は10月に佐賀県で開催される。折田選手は「さらに技術を磨き、(今大会との)2冠を目指す」と意気込んでいる。


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