【大分】福沢諭吉の故郷・中津 まち歩きマップが完成

 約40年にわたって1万円札の「顔」として親しまれてきた大分県中津市ゆかりの思想家・福沢諭吉の肖像が2024年7月で交代するのを前に、市は福沢が歩いた幕末の古地図と現在の地図を重ねて町並みを確認できる「まち歩きマップ―福沢諭吉が生きた幕末の中津を歩こう―」を作成した。デジタル版もあり、市は「幕末の中津を想像しながら歩いてみてほしい」とPRしている。


古地図(左)と現在の地図がセットのまち歩きマップ

今昔の地図を重ねて

 古地図を基に幕末の町割りを再現したマップと、現在の地図を印刷したトレーシングペーパーのA3判2枚組み。重ねると、中津藩士の屋敷が今のどの場所にあたるかや、市役所やJR中津駅が当時は畑だったことが確認できる。マップの裏には、福沢門下生らの誕生地といった史跡も載せた。監修は、福沢が創設した慶応大教授で、中津の歴史に詳しい山内慶太さんが担当した。

 市が展開している「不滅の福沢プロジェクト」の一環。市内は戦争中、空襲の被害がなく、江戸時代の町割りや道筋が色濃く残っている。そこで、福沢が生きた時代をしのびながらまち歩きを楽しんでもらおうと企画した。


山内教授(右)の解説でまち歩きを楽しむ市民ら

 4月27日、福沢諭吉旧居・福沢記念館で記念イベントがあり、山内さんは「旧居や中津城だけでなく、回遊できるまちとしての中津の魅力づくりに役立てばと思う」とあいさつ。地図を手に市民らと市街地を歩いた。和田公園周辺では、中津の紡績業の発展に寄与した和田豊治について「私財を投じて教育の基金も作った」と解説していた。

 市は2万部を印刷。記念館と中津城、市歴史博物館の3館共通観覧券(一般700円など)の購入者に配っている。デジタル版は、地図に付いているQRコードからスマートフォンで見ることができる。問い合わせは市観光課(0979-62-9034)へ。


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