【長崎】ふるさとを深掘り!「佐世保の自由研究」が話題

 長崎県佐世保市在住のフリーライター・山本千尋さん(38)が自費出版した「佐世保の自由研究」が重版・増刷され、地元で人気だ。ローカルな話題を深掘りしたリポートで、山本さんは「『古里にはこういう魅力もあるんだ』と知ってもらい、面白がってくれるとうれしい」と話している。

「豆乳」「駅たこ」…独自の目線で


「佐世保の自由研究」を手にする山本さん


 同市生まれの山本さんは、夫(38)、長女(5)、次女(4)の4人家族。6年前からフリーライターとして市内を駆け回っている。2022年に200部出版した第1巻は重版され、さらに200部を増刷した。市内の主要書店で販売されているほか、市立図書館にも置かれている。

 面白そうな話題があれば、時にアポなしで飛び込む。その熱意で相手の心をつかむことも多い。本には、こうして取材を重ねて執筆した独自目線のユニークな記事が掲載されている。

 第1巻では、市民におおよそ70年愛されている甘い豆乳「佐世保豆乳」や、松浦鉄道の左石(ひだりいし)駅(佐世保市)構内にあるたこ焼き店「駅たこ」などを取り上げ、それぞれの歴史や作り手の思いを発信。地元スーパー「エレナ」のテーマソングに関する記事では、一般に公開されていないという3番と4番の存在を明らかにするなど、「特ダネ」も放っている。


記事では、イラストレーターの木寺さんや「駅たこ」などを紹介している

 第2巻では、同市在住のイラストレーター・木寺十郎さん(90)の味のある作品や、赤と白を基調とした木寺さんの独特のファッションを「一度見たら忘れられない」と紹介しながら人柄を伝えている。表紙と裏表紙には木寺さんのイラストを掲載。書籍の題名にちなんだキャラクター「けんQちゃん」も存在感を示している。

 佐世保で人生の大半を過ごしてきた山本さんだが、子供の頃は「都会ではない佐世保があまり好きではなかった」という。

 古里が好きな人、好きではなくても住み続ける人……。様々な人との出会いを通じて地元の魅力に気づかされ、「今では佐世保が大好きになった」。第3巻の出版も目指し、取材に情熱を注いでいる。

 書籍はA5判で、第1巻は1800円(税込み)、第2巻は1980円(同)。


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