【大分】安心院の農村民泊 自慢の「和牛鍋」でおもてなし

 農村民泊に取り組む大分県宇佐市のNPO法人・安心院町グリーンツーリズム研究会は、増えてきた訪日外国人客(インバウンド)に喜んでもらおうと、高級食材として外国人に人気が高い和牛を使った鍋料理を考案した。農泊の受け入れ農家約30軒のうち20軒程度で提供できるようにしたい考えで、研究会は「新しいメニューでのおもてなしで、利用者を増やしたい」と意気込んでいる。

NPOがメニュー考案


和牛鍋をメインにした新メニュー

 1996年に発足した研究会は、安心院を中心に農泊の普及を図ってきた。「農泊発祥の地」を掲げ、シンポジウムなども開いている。

 中学生の修学旅行や体験学習が主で、北九州市の中学生の体験学習先にもなり、コロナ禍前は多い時で年間1万人が利用していた。しかし、2023年度に同市の体験学習が取りやめになった影響などで、現在、宿泊者が減少している。

 一方、インバウンドは22年度の272人から23年度は677人と、約2.5倍に増加。日本で一番食べたいものとして和牛をあげる人が多いことから、昨年末から研究を始めた。

 鍋は砂糖じょうゆベースで、年間を通して提供する。県産ブランドの「おおいた和牛」を使用し、地元の旬の食材とともに味わえる。鍋への盛りつけも一緒に体験してもらう。


「おおいた和牛」や、地元の旬の食材が味わえる

 このほか、季節に合わせた山里ならではの料理8皿以上も加える。家庭ごとに献立は異なるが、今の時期ならミョウガを使ったすしやピーナツ豆腐、木灰を使ったこんにゃくなどがあげられるという。

 宮田静一会長(74)は「子どもたちの受け入れが中心であることに変わりはないが、外国人や大人にも満足してもらえたらうれしい」と話している。

 食事のみは1人税別4800円で、3人から受け付ける。宿泊も含めた農村文化体験料は大人同1万2500円、子ども同9500円など。問い合わせは研究会(0978-44-1158)へ。


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