【鹿児島】書家・金沢翔子さん作品展 枕崎で9月8日まで

 ダウン症の書家として知られる金沢翔子さん(39)の作品展「書家 金沢翔子展~共に生きる~」が鹿児島県の枕崎市文化資料センター南溟(なんめい)館で開かれている。大河ドラマの題字などを手掛け、国内外で個展を開く翔子さんは「元気とハッピーと感動を込めて書いた」と話す。9月8日まで。

元気とハッピー込めて


翔子さんの般若写経を鑑賞する来場者たち

 東京都出身の翔子さんは、母親で書家の泰子さん(80)の指導で5歳から書を始めた。20歳の時に東京・銀座で開いた個展を皮切りに、福岡県や米ニューヨークなど国内外で作品を発表。2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」の題字や、東京五輪の公式アートポスター「翔」の金箔(きんぱく)画も手掛けた。

 作品展では、「平清盛」や「翔」の原画など、成人前から最近までの作品約30点が並ぶ。特に目を引くのは、10歳の時に泰子さんの厳しい指導で泣きながら書いたという約270字の「般若写経」だ。30歳の時に書いたものと並べて展示されており、泰子さんは「若々しい字から遊び心のある字へと書体が変わった。翔子の字を見て元気になってもらいたい」と話す。

「共に生きる」


翔子さんが席上揮毫で書いた「共に生きる」

 翔子さんと泰子さんは7月21日、同館であった作品展のオープニングセレモニーに出席し、テープカットを行った。その後、翔子さんは枕崎市市民会館で席上揮毫(きごう)を披露。真剣な表情で「共に生きる」と書きあげると、会場は大きな拍手に包まれた。


席上揮毫を披露する翔子さん(右)


 作品展に友人と訪れた鹿児島市の会社員(69)は「迫力ある字を見て感動をもらった。作品の言葉も魅力的だった」と話した。


 翔子さんは「心を込めたので見てください」と来場を呼びかけている。

 午前9時~午後5時。一般500円、高校・大学生300円、中学生以下は無料。問い合わせは南溟館(0993-72-9998)へ。


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