【山口】やなせたかし氏を通して金子みすゞを探る企画展

 山口県長門市出身の童謡詩人、金子みすゞ(1903~30年)の魅力を漫画家・やなせたかしさん(1919~2013年)の作品を通して探る企画展が、同市仙崎の金子みすゞ記念館で開かれている。

 人気キャラクター「アンパンマン」の生みの親として知られるやなせさんは詩人でもあり、企画展では2人の代表作などをボードに並べて比較考察し、共通の世界観に迫っている。


やなせさんがみすゞの詩を直筆で評した作品(複製)などが並ぶ会場

 やなせさんは生前、「金子みすゞの世界は金子みすゞだけで模倣者を拒絶しているきびしさがある」と評し、自身との共通点に触れていなかったことを紹介。そのうえで、「絶望」の隣に「希望」があることをうたったやなせさんの「絶望のとなり」と、光と影の表裏一体を表現したみすゞの「日の光」などの作品を例に挙げ、両者の世界観には優しさという「人の心に響く共通の魅力がある」などの見解を示している。

 10月17日まで。無休。開館時間は午前9時~午後5時。入館料は大人500円、小中高生200円。問い合わせは同館(0837-26-5155)へ。


advertisement