【熊本】球磨川「日本一の大鮎釣り選手権大会」が復活!
九州豪雨で氾濫した熊本県の球磨川で、中止となっていたアユを釣って大きさを競う「日本一の大鮎(あゆ)釣り選手権大会」が9月、5年ぶりに復活する。再開を求める愛好家の声を受け、釣り専門誌の発行会社が21、22日に主催。県内外から約70人が出場予定で、関係者は「復興の一助になれば」と期待を込める。
豪雨、コロナ禍を経て5年ぶり
球磨川は30センチを超える「尺アユ」で知られ、流域は毎年多くの太公望でにぎわってきた。25年超のアユ釣り歴があり、大会実行委員を務める福岡県福智町の田村聡さん(58)は「球磨川はアユが大きいだけでなく川の流れも速い。引きが強く、針にかかっても釣りきれるかわからないところが面白い」と魅力を語る。
大会は1991年に始まり、球磨村や村商工会でつくる実行委員会などが主催してきた。最盛期には約190人が参加したが、豪雨で商工会が被災して関連資料が流出。新型コロナウイルス禍も重なって2019年を最後に途絶えていた。
専門誌「月刊つり人」を発行し、アユ釣りを長年紹介してきた「つり人社」(東京都)には再開を求める愛好家らの声が届いた。「釣り人にとって、復興の手助けは釣りに行くこと。自分たちがやることで球磨川のことを全国にも広められる」と同社の岡村政宏常務(53)らが支援に乗り出した。
2023年9月に有志によるプレ大会を開催。その後も地元関係者と協議を重ね、同社が主催する全国規模の大会としてスタートすることになった。
大会はアユ3匹の合計サイズで競う。初日は人吉市中心部で予選、2日目は球磨村で上位20人による決勝を行う。参加受け付けは終了しており、東京や栃木、兵庫などから釣り人が集う予定だ。岡村常務は「大アユ釣りの魅力を楽しんでほしい。1回で終わらせず、地元が中心となって開催できるようになるまで続けたい」と話した。