【大分】給食で人気の「トリニータ丼」が冷凍食品で登場

 給食の人気メニューを家庭でも――。サッカーJ2・大分トリニータの運営会社「大分フットボールクラブ」と食品製造会社「学食」(いずれも大分市)がタッグを組み、大分市立の小中学校などで提供されている「トリニータ丼」を冷凍食品として売り出している。8月上旬から県内の道の駅などで販売しており、関係者は「鶏天に負けない大分の郷土食の一つになってほしい」と期待を込める。

クラブと食品会社がタッグ

 市教育委員会によると、トリニータ丼は鶏の唐揚げを甘辛いタレに絡めてご飯にのせる丼メニュー。2004年、地元特産のニラをたくさん食べてもらおうと、市内の小学校に勤務していた学校栄養職員が考案し、「とりにら」と「トリニータ」をかけ、トリニータの応援にもつなげようと名付けられた。


トリニータ丼 (提供:学食)


 小学6年と中学3年から卒業前に食べたいメニューを聞いて提供する「リクエストメニュー」では、常に上位に入る人気を誇る。


鶏天に負けない郷土食に!

 県内の学校給食に食材を提供している学食は、給食の人気メニューを家庭で食べてもらい、トリニータの応援や家庭のだんらんにつなげようと2021年頃に開発を始めた。

 キットは、冷凍された鶏肉とニラ、タレのセット。鶏肉は県産ブランドの「おおいた冠地どり」を採用し、タレは「富士甚醤油(しょうゆ)」(臼杵市)と共同開発した。考案した学校栄養職員の監修を受け、4~5センチにカットしたニラの長さも再現した。

 冷凍するとニラの彩りが悪くなってしまうといった課題があったが、約1年かけて変色しない技術をもつ野菜加工会社を見つけ出した。


発売発表会で「トリニータ丼キット」を手に取る学食の雨川社長(右)と大分フットボールクラブの小沢社長(中央)

 調理方法は、油をひいたフライパンで揚げ焼きにした鶏肉を、ニラとタレと一緒にいため、ご飯にのせれば完成。8月上旬に市内で開かれた発表会で、学食の雨川誠社長が「子どもが知っていて大人が知らない食べ物。子どもが大人に説明することで、家族に会話が生まれる」と力を込めた。試食した大分フットボールクラブの小沢正風社長は「食べ応えがあっておいしい。この味を広めたい」と話した。

 1食入り756円、4食入り2592円。中津市の道の駅なかつや、学食のオンラインショップなどで販売している。


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