【佐賀】嬉野茶、2年連続「4冠」の快挙! 全国品評会で

 日本一のお茶を決める「第78回全国茶品評会」で、佐賀県嬉野市の白川稔さん(49)が「蒸し製玉緑茶」、同市の吉牟田敏光さん(66)が「釜炒(い)り茶」の部門で、それぞれ最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。同市は「産地賞」も両部門で獲得。嬉野勢が2年連続で4冠を達成する快挙に、関係者からは「香り高い嬉野のお茶のPRにつなげたい」と期待の声が上がった。

「蒸し製玉緑茶」「釜炒り茶」の2部門


受賞を報告した白川さん(右から3人目)と吉牟田さん(同5人目)

 全国茶品評会は8月下旬、静岡県で開かれ、7茶種の8部門に計787点が出品された。産地賞は審査成績上位3点の合計得点が最も高い市町村に贈られる。複数の部門で産地賞を獲得したのは嬉野市だけだった。

技術継承が好成績へ

 佐賀県園芸農産課によると、同市は山地に囲まれ、朝霧が発生しやすい地形で茶の生産に適していることや、技術継承が盛んに行われていることなどが、好成績につながっているという。

 白川さんは祖父の代から100年続く茶畑を守る。自身で肥料を独自に配合し、与えるタイミングも工夫したという。「甘み、うまみが特長。若い後継者がやりがいを感じられる茶作りを続けたい」と話した。

 2019年に妻の由紀子さんが最高賞を獲得した部門での受賞となった吉牟田さん。仕上げに茶葉を炒る時間を長くして香り高くしたという。「いい香りで高品質なものを持続して作っていきたい」と語った。

知事「余韻が違う」

 11月15日に県庁を訪れた白川さんと吉牟田さんは、山口祥義知事に受賞を報告。2人が生産した茶を味わった山口知事は「うまみがあり、余韻が違う」と堪能し、「(生産者らが)研さんを積みながら生産している」とたたえた。

 全国茶品評会などが行われる26年度の「全国お茶まつり」は、佐賀県で開催される。


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