【佐賀】みんなで「バイバイ再配達」県が啓発サイト開設
トラックドライバーの残業規制強化で輸送力不足が懸念される「物流の2024年問題」を巡り、佐賀県は、宅配業者の負担となっている再配達の削減に向け、啓発するウェブサイト「バイバイ再配達」を開設した。利用者としてできることを紹介し、取り組みが、ほしいときに荷物を受け取れる生活の維持につながることを周知したい考えだ。
宅配業者の負担減へ
「荷物が届かない未来がやってくる!?」
サイトが訴えるのは、配送の負担を減らすために、利用者の意識や行動が変わらなければ、将来、荷物が希望する日時に届かなくなる可能性があることだ。
利用者が簡単にできる取り組みとして、▽配達状況の通知サービスに登録▽相手が受け取れる日時・場所を指定▽確実に受け取れる時間・場所を指定▽複数の荷物はまとめて受け取り――などを挙げている。
また、県がこれまでに制作し、テレビなどで放映してきた啓発コマーシャル5本も紹介している。
例えば、「家まで届かない」編(15秒)では、輸送能力が低下し、自宅から離れた丘の上に設けられた「置き配場」まで荷物を取りに行かねばならなくなる場合を仮定。宅配ボックスの設置を呼びかけている。
国土交通省のまとめでは、近年、インターネットを利用した通信販売が伸びていることに合わせ、宅配便の取り扱い個数は増加傾向にあり、国内では2023年度、約50億個に上った。24年10月の調査では、約10.2%が再配達となっていたという。
「宅配ボックス」設置支援も
このほかの対策として、県は24年度、配送業者から不在時に宅配物を入れてもらう「宅配ボックス」の設置を支援した。24年12月まで受け付け、戸建てに1万円、集合住宅に5万円を補助し、計1560件の利用があったという。
さらに、宅配業者の協力のもと、再配達が必要になったポストに、不在連絡票と一緒に、宅配業者のアプリ登録による時間指定などをまとめた啓発チラシを投函(とうかん)してもらった。
一連の取り組み後、宅配業者からは「再配達の割合が減った」などと反響があったという。
県産業政策課の水町智子課長は「再配達でのドライバーの負担が減らなければ、自分の生活にも影響が出る。一人ひとりが少しずつ意識を変える社会になっていければ」と話している。