【佐賀】1曲100円!佐賀空港に国内初のカラオケブース
空港での待ち時間を有効活用してもらおうと、飲食やショッピング以外の施設を空港内に設ける動きが広がっている。佐賀空港(佐賀市)では、国内の空港で初めてカラオケを楽しめるブースが設置された。国内客だけでなく、コロナ禍から回復傾向にある訪日外国人客の利用にも期待が寄せられている。
搭乗まで歌って♪楽しむ
1月22日に佐賀空港1階にお目見えしたのは、少人数向けの電話ボックス型のブース「サガノソラ」。高さは2.4メートルで最大4人が利用可能だ。マイクは2本備え付けられており、1曲100円で、ヘッドホンから流れる曲に合わせて歌唱を楽しむことができる。
空港を管理する「九州佐賀国際空港ビル」(佐賀市)が、搭乗までの空き時間などを楽しんでもらおうと導入した。
カラオケ店「ビッグエコー」を展開する「第一興商」(東京)が手がけるカラオケ用のブースを「サガノソラ」と名付けたもので、国内線や国際線を利用する客の目にとまりやすい1階の中央階段近くに設置した。出発時間などを確認できるよう、ボックス内にはデジタル時計も設けている。
サガノソラで早速カラオケを楽しんだ福岡県柳川市の会社員(61)は「旅行などで佐賀空港を使う際、空き時間をどう過ごすか悩むときもある。手軽に充実した時間を過ごせそうだ」と笑顔だった。
訪日客の余った小銭利用も期待
設置に立ち会った第一興商の担当者も「帰国時に両替できない小銭をカラオケで使えるため、訪日客の利用への期待が高い。佐賀空港を手始めに全国に広げたい」と話している。
佐賀県内や福岡県南部などからの利用が多い佐賀空港では、2020、21年に有料ラウンジを改装したり、県産品を販売するエリアを拡充したりして集客増を図ってきた。しかし、福岡空港など都市部の空港と比べると店舗は少なく、九州佐賀国際空港ビルが23年から行っているアンケートでも「もう少し時間を使える場所がほしい」などという意見が複数上がったという。
また、コロナ禍などの影響で運休していた台北(台湾)、上海(中国)、ソウル(韓国)の3路線が23年に相次いで運航を再開。24年度(23年12月時点)の3路線の乗降客数は約9万2000人に上り、今後の増加も見込まれる。
こうした状況の中、利用客が空港で楽しめる設備を導入しようと、同社の職員らは昨秋に東京で行われたレジャー産業の展示会を訪れた際、第一興商のカラオケブースを見つけて導入を決めたという。
九州佐賀国際空港ビル事業企画課の秋川翔課長は「空港にカラオケという意外性を感じ、新しい形のアミューズメントを提供したいと考えた。乗降客以外でも利用でき、佐賀空港の利便性をPRする機会につなげたい」と意気込む。