【大分】世界農業遺産を動画でPR 国東・宇佐の6市町村
2013年に世界農業遺産に認定された大分県・国東半島宇佐地域の認知度を高めようと、国東市など認定地域の6市町村や有識者らでつくる「国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会」が、PR動画を制作した。大分市出身でカナダ在住の映画監督・衛藤昂さん(40)が国東市に約1年間滞在し、豊かな自然と共生する住民らの営みを捉えた。4月23日から動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開されている。
世界農業遺産は、環境保全に配慮した特色ある農林水産業を営む地域を国連食糧農業機関(FAO)が認定する。農林水産省によると、24年10月7日現在の認定地域は国内15地域を含む世界28か国89地域。九州では国東半島宇佐地域のほか、熊本県阿蘇地域と宮崎県高千穂郷・椎葉山地域が認定されている。
動画は約5分30秒。住民がクヌギの原木にシイタケの駒打ちをしたり、子どもたちが大人に交じって田植えや稲刈りをしたりする姿、七島藺(しちとうい)で草履を編む様子、姫島村のキツネ踊り……。6市町村の自然の風景や伝統文化を、「循環する自然と人々が生み出す大分の宝物」とのメッセージと共に紹介している。
衛藤さんは24年4月から国東市に1年間滞在し、映像を撮りためた。音楽は、杵築市在住のきょうだいユニットが手がけた。
県庁で4月23日、佐藤樹一郎知事への報告会が開かれ、同協議会の林浩昭会長(64)が「素晴らしいものになった」と紹介。カナダからオンラインで参加した衛藤さんは「音楽も撮影も地元の人に手伝ってもらい、『メイドイン国東半島』にこだわった。自然の美しさや生命力の表現に注力した」と語った。佐藤知事は「輝くような映像で音楽も良かった」と話した。
動画は同協議会のインスタグラムなどでも公開する。