【宮崎】高千穂峰を望む民泊施設が高原町にオープンへ!

 宮崎県高原町の「奥霧島地域商社ツナガルたかはる」が、ほとんど使われなくなっていた町内の住宅を買い取り、1棟貸しの「民泊施設」に生まれ変わらせた。霧島連山・高千穂峰を望み、田畑が広がる町の魅力を存分に味わえるロケーションが特徴。6月2日にオープン予定で、同商社は関係人口や交流人口を増やす拠点となることを期待している。


居間には大きな窓があり、雄大な高千穂峰を望める


築40年の家屋を再生


 約2年前、町出身で当時、都城高専(都城市)建築学科5年だった今西拓誇(たくほ)さん(21)が、空き家を活用した古里の活性化を卒業研究の題材としたことをきっかけに、空き家の利活用などに取り組むツナガルたかはるの関係者らとつながりが生まれた。

 町では人口減少が進んで空き家が目立つようになった一方で、訪れた観光客らから「宿泊できる施設が少ない」との声があるという。こうした状況や今西さんのアイデアを踏まえ、ツナガルたかはるは年に1回ほどしか使われていなかった同町蒲牟田の築約40年の木造平屋家屋を購入し、民泊施設に改修することにした。改修に当たっては今西さんや、後輩の同高専建築学科の学生らも協力した。


完成した「山すそ雫の宿『稲穂~inaho~』」

 完成した民泊施設は「山すそ雫(しずく)の宿『稲穂~inaho~』」と命名。延べ床面積は70平方メートルで、まきストーブなどがある居間(20平方メートル)や洋室2部屋(14平方メートルと11平方メートル)、風呂、キッチン、トイレを備え、最大6人が宿泊できる。欄間などは従来あったものを残しつつ、高千穂峰などの自然を眺められるよう壁を大きな窓に変えるなど随所に工夫を施した。屋外の芝生の上でバーベキューも楽しめる。

ファン開拓の拠点に!

 5月22日に地域住民らを招いて内覧会を行い、ツナガルたかはるの温谷禎康社長(51)は「国内外からの観光、登山、温泉客らに利用してもらい高原ファンをつくる拠点としたい」と述べた。今回のような取り組みは空き家対策につながるとして、今後、「山すそ雫の宿」シリーズの施設整備を目指すという。


ベッドが置かれた洋室


 鹿児島大工学部4年となった今西さんは「地元の人たちや観光客に利用してもらい、非日常の空間で高原の良さを知ってもらえたらうれしい」と話している。


 利用予約は6月2日から専用サイトで受け付ける。1泊料金は2人1万5000円、3人目からは1人ごとに5000円(いずれも税込み)増を基本とするが、季節によって変動するという。問い合わせはツナガルたかはる(080-2488-6640)へ。


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