【山口】再開へ!山陰線で試運転 復旧橋梁を入念に確認

 2023年の大雨で被災し、一部が不通となっている山口県内のJR山陰線について、JR西日本は9月5日、大きな被害を受けた粟野川橋梁(きょうりょう)(下関市)を含む人丸―滝部駅間(全長21.6キロ)で試運転を実施した。2年3か月ぶりの全線運転再開は27日からを予定している。

人丸―滝部駅 9月27日に再開予定


復旧した粟野川橋梁で行われた列車の試運転

 この日の午後1時50分頃、最近まで復旧工事が続いていた同橋梁を2両編成の列車が速度を落として通過した。作業員らは現場で、橋のたわみや変化を入念に確認していた。

 同線の長門市―小串駅間(50.6キロ)は、23年の大雨によって計69か所で被災。被害が軽微だった長門市―人丸駅間(13.9キロ)と滝部―小串駅間(15.1キロ)では24年6月22日に先行して運転を再開していたが、残りの区間では不通が続いていた。

 同橋梁が架かる粟野川は、当時の大雨で水位が急激に上昇。橋の地盤材料などが流出し、橋脚1本が1.4メートル傾いた。同社は24年6月17日から橋脚の修復や橋桁の再架設を実施し、8月31日に工事が完了した。

 全線の運転再開は25年中の予定だったが、橋桁が再利用可能だったことや、今夏の梅雨が短かったことから、工期を短縮できたという。同社の西田幹嗣(もとつぐ)・山口土木技術センター所長は「復旧に多大な時間を要した。安全にお客様を迎えられるよう、全力で取り組んでいく」と話していた。


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