【長崎】「軍艦島」保存・整備へ 研究拠点の運用始まる
長崎市と大手ゼネコンの清水建設(東京都)は、端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)に研究拠点や避難所となる建物「72号棟」を設置し、4月16日から運用を始めた。端島に新しい建物が建設されたのは56年ぶりで、老朽化が進む建物の研究や保存・整備に向けて、関係者は期待を寄せている。
新たな建物 56年ぶり
同社によると、72号棟は木造平屋の52平方メートル。照明・空調用に太陽光発電パネルを設置し、トイレは化学溶液を用いて、循環利用できる。島の北側にあり、端島の構造物の劣化を調査する研究者の拠点となるほか、災害や体調不良者が発生した場合の一時避難所としても使われるという。
端島は明治中期頃から海底炭坑として本格的な操業が開始され、閉山する1974年までの間に、日本最古の鉄筋コンクリート造の高層アパート「30号棟」(7階建て)が建てられるなど、隆盛を誇った。
閉山後は建物もそのまま残され、2015年には世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つに登録。昨年度には25万人が上陸し、長崎市有数の観光地となっている。
清水建設は30号棟の建設工事などに携わってきており、市と保存・整備に向けた連携協定を結んでいた。
4月16日に端島を訪れた渡部貴徳副市長は「整備・保存事業の推進や観光資源でもある軍艦島の魅力向上に取り組みたい」とし、清水建設の担当者は「若い世代に端島の特異な環境を知ってもらう場としても活用していきたい」などと話した。
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