老舗・なだ万が福岡で挑戦! 新業態「灘屋」を3月15日開業

料理人が目の前で調理してくれる「灘屋」(写真はいずれも3月5日の内覧会で撮影)
記事 INDEX
- 日本料理店が肉に挑む!
- “ふわふわ”など独創的に
- 来街者多く発信力に期待
日本料理店などを展開する「なだ万」(東京)は3月15日、新業態となるしゃぶしゃぶ・すき焼きの専門店「灘屋(なだや)」を、福岡市博多区中洲にオープンさせます。日本料理店で培った技術を生かしながら新メニューを創出。訪日客を含む新たな顧客の開拓を目指し、店舗網の拡大も視野に入れています。
日本料理店が肉に挑む!
「海外でニーズが高い『肉』に特化したメニューを展開します」
オープンに先立って開いたメディア向け内覧会で、なだ万の竹原創・執行役員営業本部長は新たな業態に挑む理由を、こう説明しました。
なだ万は1830年に大阪で創業。現在は日本料理店(国内外29店)、総菜店(国内43店)などを展開しています。
今回の「灘屋」は、同社初のしゃぶしゃぶ・すき焼き専門店です。同社では九州唯一の日本料理店「なだ万 蒼宮(そうきゅう)」が営業していたビルの9、10階のうち10階部分に入居。なお、9階は2024年12月に「博多 なだ万」として改装開業し、7部屋の完全個室制で営業しています。
“ふわふわ”など独創的に
灘屋は、店舗面積約160平方メートルで、3部屋のみの完全個室制です。それぞれ4~8人の席を用意し、一体的に使うと最大18人を受け入れられるそうです。
「既存の日本料理店では(調理場にいて)人前に出る機会がほとんどない料理人が、ここでは客室でパフォーマンスする」(竹原本部長)のも特徴。各2種類の昆布とかつお節でだしを取ったり、肉に熱を通したりし、客室に広がる香りや音が、いっそう食欲をそそります。
メニューの大半は、なだ万のレギュラー店にはないオリジナルです。和牛にこだわり、松阪牛と神戸牛を中心に使用。鹿児島黒牛や佐賀牛など、九州産も提供する予定です。野菜の多くは九州のものを用います。
しゃぶしゃぶは、かつお節で丁寧にだしを取る透き通ったスープと、牛骨や豚骨、鶏白湯(パイタン)を使った白濁スープの2種類で、味の変化を楽しめます。
すき焼きは、卵白をメレンゲ状に泡立てた「トリュフ風味のふわふわ泡玉子(あわたまご)」とともに味わえ、上質な肉と特別なハーモニーを奏でます。シメには「すき焼き茶漬け」が用意されています。
しゃぶしゃぶとすき焼きでそれぞれ「おまかせコース」(税・サービス料込み1万9360円から)と、「単品」(同)を用意。客単価は、なだ万の一般的な店舗(1万6000円ほど)を上回る約2万2000円を見込んでいます。
来街者多く発信力に期待
新店は那珂川沿いにあり、観光スポットのキャナルシティ博多などを望む好立地です。竹原本部長は「福岡は訪日客や国内観光客も多く、発信力が高い」と市場性に期待。利用客の6割程度を海外が占めると想定しますが、地元の福岡を含む国内客にも広く訪れてほしい考えです。
なだ万は2024年9月、オノデラグループ(東京)の子会社となり、既存店のテコ入れや新業態の導入を進めています。25年1月になだ万社長に就いた長尾真司氏は「この1年はどんどんチャレンジをしていく」と強調。3月11日には、京都市で新業態のとんかつ店をスタートさせました。
長尾社長は「なだ万が長年培ってきた接客と料理はすばらしい」と自信を示します。灘屋について「幅広い層に『なだ万』を知っていただく機会にもつながると考えている。びっくりするくらいおいしい料理を提供するので、ぜひ来店してほしい」と話しています。
店舗概要
店名 | しゃぶしゃぶ・すき焼き 専門「灘屋」 |
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開業日 | 2025年3月15日(土) |
電話 | 092-271-7163 |
所在地 | 福岡市博多区中洲2-3-8 FPG links NAKASU 10階 |
客室 | 個室3部屋(4人・6人・8人) ※一体的な利用で18人まで利用可能 |
営業時間 | 17:00~22:00 (ラストオーダー フード20:00、ドリンク20:30) |
公式サイト | しゃぶしゃぶ・すき焼き 専門「灘屋」 |