伝統を未来につなぐ参加者を募集 筑後の火祭り「鬼の修正会」
大松明に点火する男衆(2024年、筑後市観光協会提供)
来年(2026年)1月10日、福岡県筑後市の熊野神社に奉納される県無形民俗文化財の火祭り「鬼の修正会(しゅじょうえ)」について、市観光協会や地元自治会は参加者を募集している。祭りは近年、担い手不足に陥っていたが、参加者の宿泊ホテルを用意するなどした結果、前回は祭りに必要な人員の半数超が集まった。関係者らは「伝統を絶やさず、地域の関心を高めるため募集を続ける」としている。
2024年からは応援を得て
同協会などによると、祭りは約500年の伝統があり、五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を願ってきた。クライマックスの神事では、直径1メートル、長さ13メートル、重さ1トンの大松明(たいまつ)3本に火をつけ、下帯姿の男衆が棒で支えながら境内を3周する。
大松明1本を動かすには25人前後が必要だが、10年ほど前から参加者が減少。新型コロナウイルスの影響もあり、2023年1月には1本しか回せず、24年の開催から応援を募ることになった。同年には19人の応援参加があったが、地元からは15人にとどまり、県内外の祭りで応援に出向いている市職員互助会まつり部(14人)などの応援を加えた計65人で大松明2本を引き回した。
25年1月にあった祭りでは、前回に続き地元自治会などが市内のビジネスホテル代を負担することにし、祭り本番には関東や九州各県から36人が参加。計71人で5年ぶりに3本の大松明を回すことができた。
先着25人のホテルを用意
26年1月に向けては、定員を設けず、20歳以上の健康な男性を募集。当日、市外からの参加者のうち、宿泊を希望する先着25人のホテル代を無料にする。
同協会の新庄信夫会長は「祭りを最後まで体験し、振る舞い酒を安心して飲めることや、地元の人たちと親しくなれることが祭りの魅力だと思う。一度参加した人が、口コミで広めてくれているのも大きい」としている。
火祭りは午後5時開始。大松明は午後9時頃、点火する。参加は無料。さらしや鉢巻きなどは提供する。申し込みは12月19日まで。問い合わせと申し込みは、筑後市観光協会(0942-53-4229)へ。







