「あなたが選ぶ絵本大賞」は? 筑後市立図書館が投票を受付中

絵本大賞への参加を呼びかける西田正治・筑後市長(左)と一ノ瀬館長
福岡県の筑後市立図書館は、所蔵している絵本の中から、来館者の投票でお薦め作品のナンバーワンを決める「あなたが選ぶ絵本大賞inちくご」を実施している。図書館によるこうした企画は珍しく、同図書館は「企画を通じて親しまれる図書館を目指すとともに、来館者の増加にもつなげたい」としている。
3部門で30冊の候補作
同図書館によると、各地で書店の閉店が相次ぎ、活字離れが進む一方、絵本の売り上げは、この数年で増加傾向が続いているという。全国の書店員が小説作品を選ぶ「本屋大賞」が注目されていることから、今回、絵本人気に着目して図書館版の大賞企画を実施することにした。
同図書館には約15万冊の蔵書があり、うち約2万5000冊が絵本という。絵本は、子どもや親子向けだけでなく、作家の人生経験などを素材にした大人向けも多く、同図書館は、館内で定期的に開催している「認知症カフェ」で読み聞かせを実施したり、お薦め図書として紹介したりしている。
一ノ瀬留美館長を含め9人の司書が約3か月をかけ、0~2歳対象の「赤ちゃん絵本」、3歳以上の「絵本」「大人の絵本」の3部門で候補作10冊ずつを選び、館内に展示。貸し出しはせず、5月29日まで来館者に読み比べてもらい、部門ごとに最も好きな1冊に票を投じてもらう。各部門1位の計3冊については、6月1日~29日に決勝投票を実施し、大賞を決める。来館することができれば誰でも投票できる。
「本を選ぶ楽しさ知って」
30冊の候補作は「隠れた名作絵本を紹介したい」との方針で選定したため、長年愛されている作品や、人気作家のものは対象から外し、現在も創作活動中の絵本作家の作品から決めた。大賞に選ばれた絵本作家には、記念講演をしてもらえるよう依頼する予定という。
一ノ瀬館長は「筑後地域ではどんな作品が大賞に選ばれるのかが楽しみ。投票を通じて来館者が増加し、多くの蔵書の中から気に入った本を選ぶ楽しさを知るきっかけにもつながってほしい」と期待している。
問い合わせは、筑後市立図書館(0942-51-7200)へ。