筑後市の伝統行事「鬼の修正会」 新年も祭りの担い手を広く募集
福岡県筑後市で2025年1月、熊野神社に奉納される県無形民俗文化財の火祭り「鬼の修正会(しゅじょうえ)」について、地元の担い手が不足しているとして、市観光協会などが前回に続き、地元住民以外からの参加者を募っている。関係者は「より多くの人に参加してもらい。全盛期の祭りを再現したい」と願っている。
担い手の減少に拍車
筑後市などによると、鬼の修正会は、五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を願って約500年前に始まったとされる。直径1メートル、長さ13メートル、重さ1トンの大松明(たいまつ)3本に火をともし、男衆が棒で支えながら境内を周回する。
大松明1本を動かすには25人ほどが必要だが、地元の参加者が減少。約10年前から市職員らが手伝っていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による中止などで減少に拍車がかかり、2023年1月には1本しか回せなかった。
前回は初めて、地元住民以外の参加希望者を対象に市内のビジネスホテルを無料で用意したところ、県内や関東地区、九州各地から19人が参加した。地元からの参加者は15人にとどまったが、市職員や地元企業からの応援を加え、計65人で2本の大松明を引き回した。
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無料でホテルも用意
今回は、11月1日から参加者の募集を開始。同協会によると、3本の大松明で周回するためには、少なくとも80人前後が必要という。同観光協会では「前回、参加した人は『楽しかった』と言っていた。知人を誘って再来してくれる人もいるのでは」と期待する。
熊野神社宮総代会長の城戸孝行さん(65)は「前回は大松明1本を30人以上で担当したので、疲れた人は交代しながら引き回せた。できるだけ多くの人に参加してもらい、伝統を引き継いでいきたい」と話している。
火祭りは2025年1月4日開催。大松明は午後9時に点火する。募集するのは20歳以上の男性で、参加無料。さらしや鉢巻きなどは提供する。申し込みは12月20日まで。祭りは深夜に及ぶことから、無料でホテルの部屋を用意し、先着20人が利用できる。
問い合わせと申し込みは、筑後市観光協会(0942-53-4229)へ。