【山口】関門のにぎわいへ事業者求む!下関市が公募開始
山口県下関市あるかぽーと・唐戸地区で進む「ウォーターフロントシティ」整備で、市は観覧車のあるアミューズメント施設が立地している市有地について、運営会社との借地契約が2027年3月に満了することから、施設整備・管理運営を行う民間事業者の公募を始めた。25年12月に地区の「顔」として開業する星野リゾートのリゾートホテルの隣接地でもあり、注目が集まる。
「ウォーターフロントシティ」の整備・運営
市有地は関門海峡に面し、市役所に近い8100平方メートルで、リゾートホテル「リゾナーレ下関」の東隣に位置する。
市は7月中旬に公表した公募要項で、良好な港湾空間を形成し、にぎわいを創出する施設を募集。具体的には、①関門海峡のロケーションを生かし、市民や観光客が訪れる目的となる②1年を通して日中から夜間まで滞在できる③周辺地域・施設と調和するとともに回遊性や利便性を高め、魅力ある空間を創出する――ことを求める。
借地料は年間約1500万円(1平方メートルあたり約1844円)で、契約期間は10年以上50年未満。希望事業者は10月までに質問をしたり、現地説明を受けたりでき、26年1月16日までに施設整備・管理運営の提案書などを提出する。市有地の東に隣接する港湾緑地9200平方メートルの一体活用(借地料は施設用地分のみ、1平方メートルあたり約967円)の提案も可能だ。
市は、有識者らでつくる選定審査委員会で提案書などを審査。26年3月中旬に公募参加事業者から説明を受け、同下旬に優先交渉権者を選定する。基本協定と事業契約を4月以降に、借地契約を27年3月末までに締結する予定だ。
日本を代表するエリアへ
前田晋太郎市長は記者会見で、あるかぽーと・唐戸地区について「市民が誇れる、日本を代表するウォーターフロントシティの実現を目指す」と改めて強調。リゾナーレの開業や、市立しものせき水族館「海響館」の改装オープン(8月1日)を挙げたうえで、「今回の公募により、エリア全体のさらなるにぎわい創出を期待したい」と述べた。
市有地を巡って市は13年、アミューズメント施設「はい!からっと横丁」を運営する遊園施設会社「泉陽興業」(大阪市)と借地契約を締結。22年11月、契約満了を見据えて事業者を公募し、1社から応募があったが、選定審査委員会の評価点が基準に達しなかった。これを受けて泉陽興業と協議し、契約を27年3月まで3年間延長していた。
公募に関する問い合わせは市港湾局経営課(083-231-1390)へ。