【長崎】廃木材でスパイス栽培 諫早の産廃業者が日本一
廃木材のリサイクルから生まれた長崎県諫早市産のスパイスが、日本野菜ソムリエ協会による調味料選手権で日本一に輝いた。商品を開発した産業廃棄物処理業「飯盛グリーン開発」(諫早市)の植松将志社長は「資源を再利用するこの仕組みを成功させ、いずれは海外にも広めたい」と意気込む。
受賞商品は「しげるの八番」で、同社の「しげるのスパイスシリーズ」のひとつ。選手権のスパイス部門に出品し、全国から寄せられたこだわりの調味料264点の中から10月の最終選考会で最優秀賞に選ばれた。タマネギとニンニクの香りの効いた肉専用の香辛料で、開発担当の藤田茂さんは「乾燥時間などにこだわった。こういった受賞は初めてでうれしい」と話す。
余剰堆肥で自家栽培
同社は建設業や産廃処理事業などを手掛け、木材の伐採で出た多くの木くずを堆肥化して販売してきた。しかし、余ってしまうため、有効活用しようと2022年に自ら農業へ新規参入。耕作放棄地など約1万6000平方メートルの畑でトウガラシやニンニク、ショウガなどを自家栽培し、自社の堆肥を活用している。
植松社長は「生鮮野菜での農業は難しいと思い、加工品をいろいろ考えてみた。試作品の『八番目』がスパイスだったので商品名にした」と明かす。商品化から2年余で1万7000本ほど売り上げており、「建設などの本業があるから商品開発もできた。レシピ本を作るなど売り方も研究していく」とし、建設・産廃業と農業の“二刀流”で自社一貫のリサイクルの仕組みを軌道に乗せていきたいという。
現在、東南アジアなどへの海外進出を商社とともに計画中。植松社長は「商品の英語表記などを考えており、諫早を世界に発信したい」と夢を語った。
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