船小屋鉱泉200周年 「ひんやり足湯」スタンプラリー開催中

スタンプラリーのチラシの一部。200周年をアピールしている

記事 INDEX

  • 湯治場として繁栄
  • 炭酸泉を満喫して
  • 今昔を伝える展示

 今年で開湯200周年を迎えた船小屋鉱泉(福岡県筑後市)の一帯を広くPRしようと、「船小屋鉱泉 足湯めぐり スタンプラリー」が8月末まで開かれています。「足湯」と掲げていますが、3か所のうち2か所は20度ほど、もう1か所も約30度と低めの温度で、主催者は「炭酸泉の『ひんやり足湯』は、暑い夏を元気に乗り切るのにオススメです」とアピールしています。

湯治場として繁栄

 スタンプラリーは、地元の有志らでつくる船小屋鉱泉保存会が主催。筑後市尾島の「船小屋鉱泉場」と「川の駅船小屋 恋ぼたる温泉館」、みやま市瀬高町長田の「長田鉱泉場」の3か所が対象で、足湯はいずれも無料で利用できます。


船小屋鉱泉場(提供:船小屋鉱泉保存会)

 このうち、最も古い船小屋鉱泉場は、井戸が掘られてから今年が200年の節目にあたります。

 筑後市や市観光協会などによると、船小屋では昔から水が湧き出ており、その上を飛ぶ雀(すずめ)がよく落ちたため、「雀地獄」と呼ばれていたそうです。江戸後期、その水を老人が飲んだりつかったりして病が治った、という話が広がって湯治客が増えたとされ、1824(文政7)年に井戸が掘られました。

 炭酸泉として鉄を含む量が日本一多い、という分析もあり、明治期には湯治場として繁栄。文豪・夏目漱石らが訪れたほか、陸軍の転地保養所となり療養者や家族らでにぎわい、ピークの昭和初期頃には約60軒の旅館が並んでいたそうです。


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炭酸泉を満喫して

 船小屋鉱泉場では2012年から、夏限定で足湯を設けるイベントを実施。前年に九州新幹線が全線開業したものの、12年の九州北部豪雨により地域が被害を受ける中、観光客に楽しんでもらおうと有志で行いました。


長田鉱泉場(提供:船小屋鉱泉保存会)

 翌年以降も続け、ほかの施設も加えたスタンプラリーを行うように。200周年を迎えた今夏、船小屋鉱泉場は土日のほかに、お盆期間(12~15日)も営業し、スタンプラリーの達成者に抽選で贈るプレゼントも充実させたとのこと。今回は、鉱泉を上薬に使った磁器「船小屋鉱泉焼」(1人)、みやま市の特産品「アロマ樟脳(しょうのう)オイルセット」(5人)などが用意されています。


スタンプラリーのチラシ(提供:船小屋鉱泉保存会)


 船小屋鉱泉保存会などによると、船小屋鉱泉場は通常、飲用のみの利用で、足湯が楽しめるこのスタンプラリーは貴重な機会。低温で炭酸濃度も鉄分も高いそうです。長田鉱泉場は、軟水で飲みやすく、6リットルを20円で持ち帰ることができ、飲料や料理に使うのもオススメとのこと。ナトリウムなどが多い恋ぼたる温泉館は「美肌の湯」とも言われ、館内の施設を利用すれば炭酸泉を全身で体感できます。


恋ぼたるの足湯(提供:船小屋鉱泉保存会)

今昔を伝える展示

 スタンプラリーの開催と重なる8月18日まで、筑後市内では船小屋鉱泉の繁栄の歴史と今の姿を伝える企画展も開かれています。


「船小屋今昔物語」のポスター(提供:九州芸文館)


 「船小屋今昔物語」と銘打ち、筑後市津島の芸術文化交流施設「九州芸文館」で開催。にぎわいを見せる船小屋の貴重な写真や、往時の様子がよみがえる古地図や法被など、関連資料を含めて約100点を展示しています(13日は休館)。


 船小屋鉱泉保存会の安西司さんは「天然の炭酸水でリフレッシュして、暑い夏も元気に過ごしてほしい。船小屋鉱泉の魅力や歴史も、感じてもらえたらうれしい」と来場を呼びかけています。

3施設の足湯めぐりの概要

船小屋鉱泉場
場所:筑後市尾島457(船小屋鉱泉源公園『雀地獄』)前
時間:10:00~18:00 ※荒天中止
営業日:土日、8月12~15日
参考サイト(筑後市観光協会)

長田鉱泉場
場所:みやま市瀬高町長田2632
時間:10:00~18:00 ※雨天休業
営業日:土日、8月12~15日
参考サイト(みやま市観光協会)

川の駅船小屋 恋ぼたる温泉館
場所:筑後市尾島298‐2
時間:9:30~19:00
営業日:8月20、27日を除く毎日
公式サイト


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