【鹿児島】「スラムダンク」新作映画を伊佐市で特別上映

特別上映会を主催する実行委員会のメンバーたち

 鹿児島県伊佐市出身の漫画家、井上雄彦さんの代表作で、高校バスケットボールを舞台にした「SLAM DUNK(スラムダンク)」の新作アニメ映画が1月22日、伊佐市文化会館で上映される。井上さんの母校、市立大口小学校の創立150周年記念事業の一環。井上さんが橋渡し役となり、高いハードルを越えて特別上映会にこぎつけた。関係者たちは「子どもたちに夢を感じてほしい」と期待している。

井上さんが故郷上映を橋渡し

 主催は記念事業の実行委員会。昨年5月頃から、映画館がない伊佐市で、卒業生の井上さんが手がけた映画「THE FIRST SLAM DUNK」を上映できないか、検討を始めた。実行委メンバーの知人で、映画関係の仕事を行っているNPO法人「かごしまフィルムオフィス」の森山浩一さんを通して大型映画館に相談した。

 返答は「映画館以外での移動上映の可能性はゼロに近い」。森山さんによると、デジタル化が進み、映画館の設備がなければ上映ができない作品が増えていることなどから地方での上映会のハードルは高くなっており、特に上映中の人気作品となると、さらに実現が難しいという。

 諦めきれない森山さんは6月下旬、上映会開催への思いを添え、井上さんの事務所にメールで直談判した。すると、配給を担当する東映の担当者を紹介してもらうことができ、協議を続けたところ、12月15日に上映会の許可が出た。森山さんは「直接(東映に)依頼しても難しかったはず。井上さんの力添えがあったからこそ実現した」と喜ぶ。

 実行委は大口小の児童約450人を無料で招待する。「先輩の作品を見て『夢は実現できるんだ』と感じてほしい」と垣内秀一郎校長。遠矢淳平実行委員長も「井上さんや森山さんには感謝の気持ちしかない。児童に限らず、多くの市民、ファンに鑑賞してほしい」と話している。

1月22日、母校の150年事業で

 上映会は午前9時30分、午後0時30分、午後3時30分の3回で各回定員は1100人程度。チケットは市外在住者でも購入でき、一般1900円。学生やシニア割引がある。問い合わせは伊佐市文化会館(0955-22-6320)へ。

<SLAM DUNK> 週刊少年ジャンプで1990年代に連載された。不良で素人の主人公・桜木花道が高校バスケ部で急成長しながら全国制覇を目指す物語。累計発行部数は1億2000万部を超え、バスケを題材にした漫画の金字塔となっている。昨年12月に井上さんが原作、脚本、監督を務めた映画が公開された。


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