【山口】宇部・旧井筒屋跡 遊び場など備えた交流拠点へ

 山口県宇部市は、旧山口井筒屋宇部店跡(宇部市常盤町1)に整備を計画している「常盤通りにぎわい交流拠点施設」の基本設計を公表した。2026年秋のオープン予定で、施設内には子どもたちが遊べるスペースやカフェなどを備えた休憩スペースを確保する。年間70万人の利用を見込み、中心市街地のにぎわい創出に向けた拠点施設と位置づけている。


施設の完成イメージ図(宇部市提供)

 発表によると、建物は鉄骨造3階建て、延べ床面積は4700平方メートル。立体と平面の駐車場計約120台分を設ける。

 1階にはカフェのほか、イベント会場としての活用や、バスケットボールや卓球などを楽しめるフリースペースを配置。飲食関連の営業や物販を行う民間事業者が入るテナントエリア(約500平方メートル)も設け、事業者は今後募集する。

 2階には小中高生向けの工作や科学実験、プログラミングを体験できる「サイエンスラボ」を開設。妊娠から子育てに関する相談窓口も置く。また3階の大部分(約1100平方メートル)は、子どもたちが自由に遊んだり絵本などを読んだりできるプレイゾーンにする。


プレイゾーンの完成イメージ図(宇部市提供)

 設計や建設、オープン後20年間の管理・運営は広島市のマンション管理会社「合人社計画研究所」やレンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」などを展開する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」、下関市の安成工務店などでつくる共同企業体が担う。総事業費は60億円。同企業体が5月29日午後6時半から宇部市役所で市民説明会を開く。

 4月24日の記者会見で、篠崎圭二市長は「施設周辺の中心市街地を居心地が良く、歩きたくなる場所にしたい。多くの人が友人や家族と過ごせる施設にしてもらいたい」と語った。

 旧山口井筒屋宇部店跡の活用を巡っては、18年末の閉店後に市が土地と建物を買い取り、19年7月に交流施設「常盤町1丁目スマイルマーケット(愛称トキスマ)」を開設。しかし、建物の老朽化に伴う修繕費がかさむ見通しとなったことから、約2年で閉鎖した。その後、隣接していた広島銀行宇部支店の土地と建物も取得し、官民連携の複合施設を建設する計画を進めてきた。現在は二つの建物の解体工事が行われている。


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