【熊本】箱根駅伝100回記念シンポ 熊本市で8月16日

 来年1月の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の第100回大会を前に、「箱根駅伝100回記念シンポジウムin熊本」(関東学生陸上競技連盟主催、読売新聞社共催)が8月16日、熊本市で開かれる。パネリストを務める箱根駅伝の元ランナーらは「一生懸命に走る姿が見る人たちに愛され、走ることの魅力を社会に広めた大会の功績を伝えたい」と意気込んでいる。


箱根駅伝を走った体験を語る柏原さん(7月20日、東京都千代田区の読売新聞東京本社で)


「山の神」柏原さんが魅力語る


 登壇予定の柏原竜二さん(34)(富士通)は2009~12年、東洋大の選手として、高低差800メートル以上の過酷な山道を走る5区に出場。4年連続で区間賞を獲得し、2代目「山の神」と呼ばれた。初出場で8人抜きの快走を見せた09年は「憧れの舞台に立てた」とスタート前に体が震え、沿道の観客からの声援に気持ちが高ぶったという。


 主将としてチームを率いた12年は、前年の東日本大震災で被災した故郷・福島の復興を願って走り、自身が更新した区間記録を塗り替えた。卒業後は富士通に入社し、17年に引退。現在は企業スポーツ推進室に所属し、スポーツ全般の支援などに取り組んでいる。

 近年は箱根駅伝に出場する選手たちも海外の練習メニューを取り入れ、国際大会を目指す選手も増えているという。「練習の質、量とも社会人に引けを取らない」と分析する。次の100年を見据え、「ボランティアを含めて幅広い人たちに関わってもらい、箱根駅伝をもっと盛り上げてほしい」と願う。

金栗の功績振り返る

 シンポジウムでは、熊本県出身で、箱根駅伝の創設に力を注いだ「日本マラソンの父」、金栗四三(しそう)(1891~1983年)の功績も振り返る。玉名市金栗四三・ツーリズム推進室の徳永慎二さん(67)が講演する。


金栗四三の銅像の前で功績を語る徳永さん(7月14日、熊本県玉名市で)


 金栗は1912年、日本初の五輪選手としてストックホルム大会に出場。帰国後は選手育成のため、「一度にたくさんの選手を強化できる」とリレーを発案し、米国横断を考えた。ロッキー山脈越えを想定し、「天下の険」と呼ばれる箱根の山をコースに選んで駅伝を企画したという。


 費用面で米国横断は実現しなかったものの、4校で始まった駅伝大会は、今や正月の風物詩となっている。「一本のたすきをチームでつなぐ形式が日本人の心情に合い、多くの五輪選手も生まれた。思った以上の大会に育ち、金栗氏も喜んでいるだろう」と感慨深げに語る。

応募は公式サイトから

 シンポジウムは8月16日午後4時から、熊本市中央区桜町の市民会館シアーズホーム夢ホールで開催される。入場無料。応募は8月8日までに箱根駅伝公式サイトから申し込む。応募状況によっては抽選を行う。問い合わせは、読売新聞東京本社「箱根駅伝100回記念シンポジウム係」(03-3216-8570、平日午前10時~午後5時)へ。


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