【宮崎】悲願の「南郷―奈留IC」事業化へ! 式典で祝う

 東九州自動車道のうち、唯一事業化していなかった宮崎県の南郷インターチェンジ(IC、仮称、日南市)―奈留IC(仮称、串間市)間の事業化決定を祝う式典が4月8日、串間、日南両市で行われた。交通利便性の向上を願う県南地域の関係者にとっては悲願の道路で、参加者らからは喜びと早期開通を望む声が聞かれた。

東九州道で唯一残されていた区間


くす玉を割って事業化を祝う関係者ら(道の駅くしまで)

 東九州道は政府が1987年に整備を決めた高速道路で、北九州市から鹿児島市までの総延長約436キロを結ぶ計画。宮崎県南部と鹿児島県東部にまたがる約1割が未開通区間となっており、その中でも日南東郷―南郷両IC間と、奈留―志布志両IC間は先行して事業化されていた。唯一残っていた南郷―奈留両IC間もこのたび事業化され、2024年度予算に測量費などが盛り込まれた。



 九州地方整備局によると、南郷―奈留両IC間は片側1車線の13.3キロで、総事業費を650億円と見込む。開通時期は未定。24年度予算の発表時に公表された試算では、全線開通すれば宮崎空港(宮崎市)から遊園地や海水浴場などがあるダグリ岬(志布志市)までの車での所要時間は64分となり、18分短縮される。開通効果として、産業・観光振興への効果や南海トラフ巨大地震に備えた救援路としての役割も期待される。


串間、日南で式典「早期開通を」


万歳三唱する関係者ら(道の駅くしまで)

 串間市の道の駅くしまで行われた式典には関係者ら約100人が参加し、事業化を祝ってくす玉が割られた。島田俊光市長は「市制施行70周年の節目に、さらに夢が広がった。これがスタートなので陳情活動を進めて早期開通を目指したい」と語った。

 15年以上にわたって国土交通省への陳情活動などを行ってきた同市の市民団体「串間のみちを考える女性の会」の斉藤チヅ子会長は「大変うれしい。子どもたちが串間に残ってくれるよう道路をどう生かしていくか皆さんと考えたい」と話した。


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