【山口】レノファ、J1プレーオフ圏内の5位で後半戦へ!
サッカーJ2・レノファ山口はリーグ戦38試合のうち半数の19試合を終え、J1昇格が懸かるプレーオフ圏内の5位と好調だ。22チーム中20位に沈んだ昨季から一転、今季から指揮を執る志垣良監督(44)の下、攻守のバランスが取れたチームになっている。さらなる上位を目指すリーグ後半戦は6月16日、アウェーの前橋市で行われるザスパ群馬との試合から始まる。
新監督の下、攻守にバランス
「細部までこだわって」「自分たちでアイデアを出しながらやらないと」。10日、山口県山陽小野田市のおのサンサッカーパークで行われた公開練習。ポジション取りやシュートの練習をする選手たちに志垣監督が声を張り上げた。チームは8日の19節で、パスミスなどからジェフユナイテッド千葉に2点を奪われて敗戦。それだけに「同じミスを繰り返してはいけない」との思いで指示にも力が入る。
志垣監督は福岡県出身。強豪として知られる東福岡高(福岡市)のサッカー部ではなかなかベンチ入りできず、悔しい思いをしたという。高校卒業とともにイギリスに留学してサッカーを学んだ。帰国後は千葉のコーチなどを経て、昨季はJ3のFC大阪を監督として指導した。
チームの立て直しを託され、ここまでの成績は9勝4分け6敗で勝ち点は31。昨季は守備が課題だったが、今季は15失点に抑えており、リーグで2番目に少ない(13日時点)。攻撃も25得点、得失点差は10で20チーム中6位につけている(同)。
選手が成長した点について、志垣監督は「勝利に対して貪欲になってきた」ことを挙げる。リーグ戦序盤は負けても笑みがこぼれるなど緩んだ雰囲気があり、苦言を呈したこともあったが、次第に心から悔しがるようになったという。「良い準備をして結果につながっているだけに、一試合にかける思いが強くなったのだろう」とみる。
コミュニケーション重視で!
チーム再建に向けて重視してきたのがコミュニケーションだ。練習ではこまめにプレーを止めて指示し、選手たちを集めてホワイトボードを使って戦術を確認する。6試合ぶりの黒星となった千葉戦後のミーティングでは、一人一人が発言する時間を設け、課題などを共有した。
こうした指導に、FW梅木翼選手(25)は「意見を聞き入れて寄り添ってくれる」、DF新保海鈴選手(21)は「プレーを細かくすり合わせる時間があるため、疑問がなくなる」と話し、信頼を寄せる。
J2での最高順位(8位)だった2018年は、前半戦を2位で終えながらも中心選手の移籍などから後半戦は勝てない時期が続いた。志垣監督は今後の戦いについて「分析され、追われる側になる。独走しているわけでもないため、目の前に集中して戦っていきたい」と力強く語った。