【鹿児島】特攻隊基地跡を若者がガイド 鹿屋市が育成へ

 来年で戦後80年となるのを前に、鹿児島県鹿屋市は、特攻隊の国内最大の出撃拠点となった市内の基地跡や戦争体験を解説する「戦跡マイスター」を育成する。同市内の小学5年から高校生までを対象に6月28日から募集を始めた。戦争の記憶を次世代に継承できる人材を育てる狙いがある。

戦後80年へ「戦跡マイスター」


串良基地跡の地下壕第一電信室(写真はいずれも鹿屋市提供)

 同市によると、太平洋戦争末期、市内には旧海軍の特攻基地が鹿屋、串良、笠野原の3か所にあった。鹿屋と串良から合わせて1200人余りが出撃し、命を落とした。基地跡には、特攻隊員が突撃前に送る電信を受信した電信室や、空襲から航空機を守るための掩体壕(えんたいごう)などが残っている。

 約20人の「平和学習ガイド」が観光客らを案内してきたが、高齢者が多く、節目に向けて若い人材を育成することにした。

15人程度を募集


笠野原基地跡に残る航空機を守るための掩体壕

 募集は15人程度で参加無料。7月19日まで受け付け、応募者多数の場合は抽選を行う。参加者は8月以降、戦跡に詳しい大学教授らの座学や戦跡を巡る実地研修などを経て、来年2月にテストを受ける。修了者は市から戦跡マイスターとして認定され、戦後80年事業などで案内を担当する。

 同市の担当者は「若い世代に、平和を願う気持ちを育む機会にしてもらいたい」としている。問い合わせは市ふるさとPR課(0994-31-1121)へ。


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