【山口】自動運転バス、JR徳山駅ー動物園間で実証実験へ

 特定の条件下で人が運転に関わらない「レベル4」の自動運転によるバス運行の実現を目指す実証実験が、11月から12月頃にかけて山口県周南市で行われる。県が企画・管理を担当。JR徳山駅―徳山動物園間の約1.7キロを毎日7往復する計画で、持続可能なバス運行サービスの構築や、若者が魅力的に感じる街づくりなどにつなげたい考えだ。


実証実験で運行する自動運転EVバス(マクニカ提供)

 実証実験では県のほか、周南市が実証フィールドの調整、防長交通(周南市)が運行状況の遠隔監視、NNT西日本が自動運転の運行管理などをそれぞれ担当。10月頃まで関係者の会議や試験運行などを重ねて準備する。

 使用する車両は、半導体商社のマクニカ(横浜市)が提供するレベル4対応の自動運転EV(電気自動車)バス「EVO」。定員は10人程度で、時速20キロ未満で走行する。

 実証実験の運行は午前9時~午後5時に実施。市役所や市立徳山小前を経由するルートを片道20~30分で結ぶ予定だ。複数の乗降スポットも設けられ、誰でも無料で乗ることができる。緊急時に備えて運転手が乗り込むため、今回は「レベル2」の自動運転になるという。

 総事業費は約6800万円。うち4000万円は国土交通省の補助金を充てる。県デジタル政策課の担当者は「将来のレベル4の自動運転実施に向け、様々な検証をしていく。そのためにも、県民の皆さんに積極的に乗車を体験してもらいたい」と話している。


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