【宮崎】日南市・大島の「鞍埼灯台」が重文に 観光PRへ

 文化審議会が10月18日、重要文化財に指定するよう文部科学相に答申した「鞍埼(くらさき)灯台」(宮崎県日南市)は、九州南部に現存する最古の洋式灯台とされる。所有者は国で、第10管区海上保安本部は「歴史的価値の高いものとして評価されることは大変喜ばしいこと。これを機会に地元の皆様にもPRしていきたい」としている。

九州南部・最古の洋式灯台


鞍埼灯台(提供:文化庁)

 文化庁などによると、鞍埼灯台は離島・大島の南端の海抜約84メートルの断崖上にあり、1884年(明治17年)8月15日に完成、初点灯。日本人技術者が主導して建設した我が国最初期のコンクリート造構造物とされ、日向灘南方を行き交う船舶の安全を守り続けてきた。

 大島は現在は無人島で、元島民らでつくる市民団体「大島プロジェクト会議」では、島おこしを掲げ、鞍埼灯台に通じる遊歩道を整備して散策ツアーなどを行っている。同会議の若松俊二会長は「漁業が盛んだった大島にとって灯台はなくてはならないもので、島のシンボル。PRしてツアーなどを盛り上げたい」と話している。


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