【大分】廃棄食材からペットフード 九重の旅館や飲食店
大分県九重町の旅館や飲食店など24施設でつくる「ここのえペットツーリズム協会」が、これまで捨てられていた町内産のシカの骨と規格外のトマト、産卵後のヤマメを原料にしたペットフードを開発した。フードロス対策や国連が掲げる「SDGs」(持続可能な開発目標)を意識した取り組みで、メンバーは「町の特産品に育てたい」と張り切っている。
地元産シカ骨など利用
同協会はペットと楽しく旅行ができる地域づくりを目指し、2024年2月に発足。生産者や製造業者の協力を得て、同10月に犬猫向けペットフードの開発に乗り出した。保存料や香味料などを一切使わない「無添加」にこだわり、これまでに2品が完成した。
「トマトのボーンブロス」は、町内の猟師が捕獲したシカの骨と熟しすぎて規格外になったトマトをじっくり煮込んだスープ。災害で避難を余儀なくされた際にも役立つよう、常温で1年間は保存が利くレトルトにした。「ヤマメのジャーキー」は、産卵を終えて脂が落ちたヤマメを商品化した。
スープは100グラム入り800円、ジャーキーは25グラム入り900円。同協会加盟の施設や大分市のペットショップで4月から販売する。ふるさと納税の返礼品への採用も目指す。
野田諭香(ゆか)代表は「九重ならではの原料を使ったペットフードで、普段使いのほか備蓄もできる。多くの人に手に取ってもらいたい」と話している。
問い合わせは事務局の「季の郷 山の湯」(0973-78-8111)へ。