年末閉園の「かしいかえん」で思い出の結婚式 「笑顔を忘れず明るい家庭を」
記事 INDEX
- ウルトラマンショーで共演
- 心の中にかしいかえんを
- 精いっぱいの恩返しをしたい
12月30日で閉園することになった福岡市内唯一の遊園地「かしいかえん シルバニアガーデン」。同園は長年の感謝の気持ちを伝えようと、園内でかなえたい夢を募って実現させる「夢を咲かせようプロジェクト」を行っています。10月9日には、かつて園内のショーで共演した1組のカップルが、この思い出の地で結婚式を挙げました。
ウルトラマンショーで共演
結婚式を行ったのは、佐賀県在住の古賀雅基さんと由華さん夫婦。熊本県荒尾市の「ウルトラマンランド」(現在は閉園)で、雅基さんはスーツアクター、由華さんはMCとして、ウルトラマンショーに出演していたそうです。かしいかえんにも出張イベントで何度か訪れ、子どもたちを喜ばせていました。
ただ、当時は互いの連絡先も知らない仕事上の付き合い。ウルトラマンランドの閉園後はそれぞれの道に進んでいましたが、5年ほど前に佐賀で偶然再会し、交際がスタートしました。
昨年7月に入籍したものの、コロナ禍で結婚式は見送ったまま。「結婚式をやっていいのか、いけないのかというところでずっと足踏みしていた」(雅基さん)という時に知ったのが、「夢を咲かせようプロジェクト」でした。
福岡市東区出身の由華さんにとって地元のかしいかえんは、ショーだけでなく、小さい頃に家族でよく訪れた思い出深い場所。雅基さんも同園そばの九州産業大学を卒業した縁があり、80件を超える応募の中から「夢」を実現できることになりました。
心の中にかしいかえんを
迎えた結婚式当日。由華さんはウェディングドレス、雅基さんはタキシードの晴れ姿で「こもれび広場」のステージ上に。シルバニアファミリーのキャラクターたちが2人をエスコートしました。
「笑顔を忘れることなく幸せに満ちた明るい家庭を築くことを誓います」と宣誓し、結婚指輪を交換すると、集まった家族らが大きな拍手で祝福しました。
最後は結婚証明書にサイン。かしいかえんの橋本典明園長が「由華さんはMC、雅基さんはスーツアクターとして、一緒にかしいかえんを盛り上げ、皆様を喜ばせていただきました。今後いろいろなことがあると思いますが、ぜひ2人の愛を未来永劫燃やし続けていただきたい」とメッセージを贈りました。
式を終えた2人は、事前に決めていたという園内の各スポットに記念撮影へ。由華さんは2歳の時に父・昌博さんと写真に納まったメリーゴーラウンドで笑顔を見せました。ウルトラマンショーが開かれた大テントでは、由華さんがマイク、雅基さんがウルトラマンのカラータイマーを身につけ、「あのとき」に戻って楽しみました。
「こうした場を設けていただき感謝しているし、うれしい気持ちでいっぱいです。心の中にかしいかえんをずっと持って過ごしていきたい」と雅基さん。由華さんは「思い出がたくさん詰まったかしいかえんで、人生の一番の節目の結婚式ができてすごく幸せな気持ちです」と喜んでいました。
精いっぱいの恩返しをしたい
園ではこのほか、「#なつかしいかえん」のハッシュタグで思い出の写真を募ったり、施設の歩みを振り返る写真を園内各所に並べたり、様々な企画を行っています。西鉄貝塚線では12月26日まで、懐かしいポスターやチラシを掲示した特別電車を運行しています。
12月下旬には、世界的な庭園デザイナー石原和幸さんの提案で、園内をチューリップで彩る計画も進められているということです。橋本園長は「これから我々ができる精いっぱいの恩返しをしていきたい。かしいかえんはなくなりますが、皆さんの記憶の中に生き続けていてほしいと心から思います」と話しています。
思い出を残す「人文字」に参加しませんか!!
読売新聞西部本社は、かしいかえんの思い出を残すクラウドファンディング企画「ありがとう かしいかえん」に取り組んでいます。園内で人文字をつくってドローンから空撮(11月20日予定)し、その写真を収めたパノラマ新聞を制作するなど様々な返礼品を準備しています。応募は11月30日(人文字の空撮への参加権は11月12日)まで。詳しくは、読売新聞のクラウドファンディングサイト「idea market」でご確認ください。