天神の新ランドマーク「ワンビル」が開業 ここだけ!が集結

フードホール「iiTo TENJIN(いいと てんじん)」などが設けられたワンビルの地下1階

記事 INDEX

  • 「唯一」を中心に130店
  • 胃袋を満たす多彩な食
  • アートとノスタルジー

 福岡市・天神で整備が進められてきた大型複合ビル「ワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)」が4月24日、いよいよ開業します。上層階はホテルやオフィスとなるほか、地下2階~地上5階の商業フロアはグルメやファッション、雑貨などが集まり、館全体で130店が営業。「福岡ではここだけ」という店が半数以上を占め、九州一の商業地・天神の魅力がいっそう高まりそうです。

「唯一」を中心に130店


天神交差点に完成したワンビル

 天神交差点に完成したワンビルは、地上19階、地下4階建てで、延べ床面積は約14万7000平方メートル。福岡ビル、天神コア、天神ビブレの3ビルの跡地に立地します。


九州初などの店がそろうワンビル内

 「『初めて』ありきではなく、『創造交差点』のコンセプトで進めた結果、新業態や九州初の施設がそろいました」

 開業に先立って4月22日に開かれたメディア向け説明会。事業主・西日本鉄道(福岡市)のワンビル部商業運営室で、ビルの商業エリアを担当した村田大輔室長は、テナント構成が決まった経緯をそう語りました。


メディア向け説明会に臨む村田室長(右)ら

 営業する130店のうち、新業態26店、九州初34店の計60店が「九州唯一」。「福岡県唯一」(22店)を含めると、全体の約6割にあたる計82店が「福岡県でここだけ」となります。


イオン九州の新業態店「ビオララ」

 総合スーパーを展開するイオン九州(福岡市)も、地下2階にオーガニック食材や総菜など約3000品を扱う新業態店「b!olala(ビオララ)」を開設。甲斐允弓(まゆみ)店長は「(西鉄と)『新しい価値を生み出す』という思いを共有し、新しいチャレンジをすることになりました」と話します。


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胃袋を満たす多彩な食

 注目度の高いファッションや雑貨を扱うテナントがそろう中、30店あるグルメの充実ぶりが目を引きます。


地下1階には「天神のれん街」もある

 5階と地下1階はフロア全体が飲食ゾーンで、館全体では客席数が約1800と、天神地区最大級。天神では、再開発によるビルの解体で飲食店が減少し、「ランチ難民」との言葉も生まれましたが、ワンビルは多彩な食で天神ワーカーや来街者の胃袋を満たしたい考えです。


5階の「天神福食堂」(4月17日の内覧会で撮影)

 5階の「天神福食堂」(209席)は、1000円未満で楽しめるランチメニューもそろう西鉄の新業態店。筑紫女学園の中学・高校・大学の食堂も運営する市内のイタリアン「リングラッツェ」と連携し、野菜を農家から直接仕入れてダシまで余すところなく使ったり、スマホ決済で接客を効率化したりして、本格的な味と低価格の両立を図ります。


「ハンバーグ定食」(900円) ※4日ごとの入れ替わりで提供

 福ビルにあった「喫茶 門」の「ミックスジュース」の復刻品も用意。リングラッツェの社長・田村浩治さんは「再開発で天神から姿を消した飲食店もある。機会があれば他店のメニューの再現にも挑みたい」と話します。


15~20時は「アペリティーボ(夕食前の軽食)タイム」(日曜・祝日を除く)として、ドリンクやおつまみを提供

 西鉄の徳久愛子・食堂事業担当課長は「あたたかさで満たし、来店客の心のよりどころとなるような場所にしたい」と願いを込めます。


天神福食堂への思いを語る田村さん(右)と徳久さん

アートとノスタルジー

 「ただ買い物をするだけでなく、いろいろな刺激を与えられる場所に」(村田室長)と、ワンビルには「五感」へ働きかける多彩な“仕掛け”が用意されています。


ピクセルツリー(左)と、梅の花を題材にした作品

 館外では「ピクセルツリー」と呼ばれるオブジェや、梅の花を題材にした作品が来館者を迎えます。館内でも壁や天井に多彩なアートを展示。テナントでは、アナログレコード専門の「フェイスレコード」といったユニークな店も登場します。


2階に九州初出店した「フェイスレコード」

 “意外な出会い”はほかにも。2階の南西側には、天神コアのロゴをモチーフにした照明が飾られ、床にもコアを彷彿(ほうふつ)とさせる柄を採用。地下2階の床の一部は、天神ビブレも思い起こさせるレンガ調となっています。


天神コアのロゴをモチーフにした照明

 村田室長は「全て新しくするのが再開発ではない。旧ビルの思い出を受け継いで、新ビルでもノスタルジーや親近感を感じてほしい」と話します。


地下2階の床の一部はレンガ調になっている

 ワンビルのメインターゲットは30~50歳代の男女で、感度の高い消費者や天神ワーカーをはじめ、九州各地からの集客を見込みます。西鉄の商業施設としては初めて免税カウンターを設け、訪日客の取り込みにも注力。天神コア(2018年度で約1700万人)などを上回る来館者を迎えたい考えです。


「博多祇園山笠」が描かれた手ぬぐい(中川政七商店)など、店によっては限定品を用意

 西鉄グループでは4月24日~5月6日、同社の交通系ICカード「nimoca(ニモカ)」を使って西鉄バスで天神へ出かけると「39ポイント」を贈る企画なども用意。グループの総力を挙げてワンビルの開業を盛り上げる方針です。


天神の各所でもワンビルをアピール


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