環境への想いをつなぐ糸島発のマーケット 今年も博多阪急で開催

「THINNING in 博多阪急」のPR画像(提供:THINNING実行委員会)

記事 INDEX

  • 「山」と「海」をテーマに
  • 新規含む7店がそろう
  • ワークショップも充実

 グッズやスイーツの買い物などを楽しみながら、環境問題への関心をもってもらうイベント「THINNING(シニング)」が、今年も福岡市の博多阪急1階メディアステージで開かれます。期間は7月26日~8月1日。夏休みに合わせてワークショップを充実させ、関係者は「楽しく続けて共感の輪を広げていきたい」と期待しています。

「山」と「海」をテーマに

 THINNINGは英語で「間伐」の意味。間伐が進まず放置された荒廃林は、土砂災害などの危険性が指摘されており、福岡県糸島市の卸売業、林博之さん(48)が「山の問題を広く知ってほしい」と間伐材の流通につながるように企画したマーケットです。

 2016年に糸島市でスタートし、間伐材を使った製品の販売などを通して、環境の問題を伝えてきました。大分県や北海道で出展したこともありますが、博多阪急では19年から実施し、今年で5回目を迎えます。


5月に糸島の海岸を清掃(提供:博多阪急)

 昨年から、山だけでなく、川を介して結ばれる「海」もテーマに加えて展開。今年は開催前の5月、「若い社員らが社会課題に向き合うきっかけに」と、博多阪急の9人と林さんら計約20人で糸島市の海岸を清掃しました。ペットボトルや車のバッテリー、サンダルなどを拾って歩き、2時間ほどで軽トラックの荷台がいっぱいになりました。


集めたごみを前に写真に納まる林さん(前列右から2人目)や龍本さん(同3人目)ら(提供:博多阪急)

 博多阪急でTHINNINGを初回から担当しているライフスタイル営業部の龍本典大さん(52)は「こんなにたくさんのごみがあるのかと驚いた」といいます。新たなメンバーたちと一緒に環境問題を肌で感じ、イベントの充実にも力が入ったようです。


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新規含む7店がそろう

 今年の「THINNING in 博多阪急」に登場するのは、糸島市と福岡市の計7店です。

 糸島に製塩所を置く新三郎商店は、「しおをかけてたべるプリン」などのスイーツを用意。海水からつくる「またいちの塩」は、プラスチックの袋を使わず紙製パックで販売しており、身近なところから実践できる環境配慮の取り組みも発信する考えです。


しおをかけてたべるプリン(プレーン税込み500円など)(提供:博多阪急)

 林さんの「GOOD DAILY HUNT」では、海洋プラスチックごみから作られたキーホルダーや皿といった製品のブランド「buøy(ブイ)」などを扱います。


buøyの商品例(提供:THINNING実行委員会)

 糸島を拠点とする、国産レモンを使用したオリジナルレモネード店「John Lemon」は初出店です。きび砂糖や蜂蜜などを用い、子どもから大人まで楽しめるレモネードやスイーツを提供します。


John Lemonのレモンスカッシュ(税込み551円)(提供:博多阪急)


 なお、会場の設営には、間伐材を使ったテントなどを用います。

ワークショップも充実

 夏休み期間ということもあり、会場では、子どもたちの自由研究にもよさそうなワークショップも行います。

 フェルトと間伐材で作る「ひつじライオン」(所要時間約30分、参加費2200円)や、木材の端材などを使ったオリジナルボードゲーム作り(約90分、1320円)、海洋プラスチックごみを使った顔のモビール作り(約60分、1540円)などに挑戦できます。


顔のモビール(左)とオリジナルボードゲームのイメージ(提供:博多阪急)

 林さんは「自分たちも楽しめるように工夫を続けながら、環境への想(おも)いを広く共有していきたい。『ビーチクリーンはできないけれど、環境に配慮した商品を購入して応援する』とか、それぞれができるアクションに出会うきっかけになれば」と願っています。

 ワークショップの開催日などイベントの詳細は、インスタグラムや博多阪急のページなどでも紹介しています。


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