今年こそテレビに出たい！地上波NGヒーロー｢バカチンガー｣
福岡の未来をちょっと明るくする庶民派ヒーロー「バカチンガー」
記事 INDEX
- ファンを増やして一歩ずつ
- 鶴の一声で予想外の展開に
- 単独インタビューが実現！
テレビ局で誕生したにもかかわらず、「地上波NG」のキャラクターが福岡で地道に活動しています。その名は「バカチンガー」。テレビ出演を夢見ながら、各地のイベントなどで実績づくりに励む”ちょっと残念なヒーロー”に会いに行きました。
ファンを増やして一歩ずつ
「イベントが始まるよー、バカチンガーですよー！」。ラグビー・リーグワン2部の九州電力キューデンヴォルテクスの今季開幕戦。試合が行われる博多の森陸上競技場（福岡市）の入り口そばに設けられたステージの上に、ヒーローの姿がありました。
イベントではなかなかの人気
銀髪のロン毛、スーツを模した派手なコスチューム。腰のベルト中央には明太子があしらわれています。バカチンガーは、福岡市出身のタレント・武田鉄矢さんが教師役を熱演したテレビドラマ「3年B組金八先生」をオマージュして生まれました。
ベルトの中央には明太子が
ステージ前には子どもたちが集まり、「バカチンガー!!」と声援が飛んでいます。なかなかの愛されキャラみたいです。イベント後は、観客席からヴォルテクスを応援したバカチンガー。選手のトライをガッツポーズで喜びますが、なぜか周りは静かです。なんと相手チームの応援席に陣取る痛恨のミス。天然ぶりもなかなかです。
トライが決まって「はい、ポーズ」
ハーフタイムにはフィールド上で、チーム公式応援サポーターの就任式に臨みました。九州プロレス設立15周年大会のアンバサダー、飲酒運転撲滅キャンペーンのサポートキャラクターと、バカチンガーの活動の場は着実に広がっているようです。
鶴の一声で予想外の展開に
地上波NGになった経緯は2022年に遡ります。「福岡の未来をちょっとだけ明るくする庶民派ヒーロー」として、FBS福岡放送から誕生したバカチンガー。武田鉄矢さんの所属事務所からも快諾を得て、社内のSDGs推進プロジェクトを盛り上げるキャラクターとして同年4月に華々しくデビューするはずでした。
FBS福岡放送から誕生
ところが……「テレビで『バカ』とは何ごとだ!!」――。コンプライアンスを重視する上層部の一言で、暗雲が一気に垂れ込めます。局内でバカチンガーのプロジェクトを担当する藤谷拓稔さんと香月浩一さん（いずれも編成局）は「番組の内容も決まり、アニメなども作り込んでいたところでした」と振り返ります。
まさかの地上波NGに、バカチンガーも深く落ち込んだ
一方で「地上波でなければ好きなことをやっていい」という”お墨付き”も得られました。バカチンガー、藤谷さん、香月さんで力を合わせ、YouTubeやSNSを駆使して活動する日々が始まります。「地上波NG」が逆に関心を集め、じわじわと知名度が上がり、自社以外のメディアで取り上げらるようにもなりました。
チームを組む(左から)藤谷さん、バカチンガー、香月さん
他局の関係者からは「狙って『地上波NG』にしたんでしょ？』と冷やかされることもあるそうですが、「本当に絵に描いたような上からのストップです」と香月さん。藤谷さんは「烙印（らくいん）を押されてからのスタートでしたが、かなり認知が広がってきました」と、逆風の中をともに歩んできた2年弱の手ごたえを語ります。
FBS社内でも気軽に声をかけられる人気者
しかし、まだまだ道半ばです。2人は「地上波NGと言ったことを後悔する上層部の様子をいつか見てみたい」と愉快そうに笑います。
ポーズを決める（左から）香月さん、バカチンガー、藤谷さん
単独インタビューが実現！
バカチンガーへのインタビューを申し入れると、快諾されました。場所は福岡市のFBS本社です。実はバカチンガーは、ステージで派手なアクションを披露する他の多くのヒーローとは違い、自分の考えを自らの言葉でしゃべることができるのです。
真面目に⁉インタビューに答えるバカチンガー
――地上波NGのちょっと残念なヒーローと言われる気持ちは？
いきなりその質問は、ばかちんがー！ もちろん悔しいですよ。最初は、テレビにいっぱい出ましょうという話だった。何も悪いことをしていないのに、なぜ……。
――デビュー後の活動を振り返って
人生は嫌なことがあっても、そこから良いことも生まれる。地上波NGになったことで様々な活動をして、いろいろな人に出会えたし、ある意味で良かったんじゃないかとも思う。だけど、そろそろ地上波NGはやめてほしい。もう2年近くたつからね。
地上波NGでも多くの出会いに感謝
――本当にSDGsに詳しいの？
はぁ？ ばかちんがー！ 詳しいに決まってるだろう。SDGsのキャラなのに。記者さんは17の目標を知っていますか？
記者の質問に「はぁ？ばかちんがー！」
――いや、ちょっと困ったな……
SDGsの目標の第1は貧困をなくそう、第2は飢餓をゼロに。17番まで全部いきますか？ バカチンガーが一番気になるのは12番目。つくる責任、使う責任、リサイクルの話です。詳しくなくてもいいんですよ。大事なのは「できることからする」だから。
――ライバルはいる？
ライバルって何ですか？ SDGsに取り組むキャラクターは仲間。ライバルを敵と捉えるなら、環境汚染や差別でしょう。それでも、あえて誰かと聞かれれば（地上波NGにしている）社長かな。ばかちんがー！
「ライバルは環境汚染や差別」
――2024年の目標を
どこの局でもいいから地上波に出る。社長さーん、お願いします。ここ(FBS)だったら、うれしいけどね。
「地上波に出たい」が原動力
バカチンガーは”会いに行けるヒーロー”です。1月6日はミクニワールドスタジアム北九州(北九州市)で行われるヴォルテクスの試合でチームを応援し、観客とも交流する予定です。1月下旬にはJR博多駅とのコラボ企画も計画中とのことです。
2024年も活躍を誓う
2024年はどんな活躍を見せてくれるのか――。バカチンガーの動向に大注目です。
バカチンガーのプロフィルや動画は公式サイトで
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