「ツール・ド・九州」を弾みに! 『自転車の聖地・岡垣』を発信

ツアーなどを紹介する特設サイトのトップ画面

 10月に開催される自転車の国際ロードレース「ツール・ド・九州」の第2回大会まで1か月と迫った。福岡ステージのレースが初めて行われる福岡県岡垣町は、多くの観客が訪れ、町の魅力を知る機会にしてもらおうと、インバウンド(訪日外国人客)向けに実際のコースを巡るといったツアーを販売し、様々なイベントを企画している。

ツアーやイベントを企画

 同町は、響灘に面して約12キロの松林が続く三里松原があり、南西部には300~400メートル級の山々が連なる。サイクリングロードが整備され、JR九州の観光列車などをデザインした水戸岡鋭治さんの事務所が手掛けた休憩施設「リンリンクラブ岡垣」もある。


大会の周回コースとなる岡垣町の海岸沿いの道路

 レースは10月11~14日に開催。11日は北九州市の小倉城周辺を周回し、12日に大分県、13日に熊本県を走る。最終日は14日午後1時半、岡垣町のスポーツ・文化施設「岡垣サンリーアイ」を出発。芹田交差点から南下して垂見峠で宗像市に入り、上八交差点、波津海岸沿いを経て芹田交差点に戻る周回コースを9周し、午後5時頃に宗像市の宗像大社にゴールする予定。


 大会当日はJR海老津駅南口とボートレース芦屋から芹田交差点まで無料の送迎バスを運行。コース付近のふれあいスポーツ広場など3か所に観戦イベント会場を設ける。キッチンカーや飲食ブースで地元の食を楽しめるほか、音楽やダンスなどのステージイベントが行われる会場もある。

 インバウンド向けには、観光庁の補助事業を活用して九つのツアーを企画、販売。9月から、町内で宿泊し、実際のコースをプロ選手と巡る体験企画などを提供している。大会前夜から宿泊し、当日は部屋や約200席の特別観覧席から観戦、レース後に選手との懇親会に参加できるプランも。3000人の利用を目標に掲げ、売り込み中だ。日本人も参加できる。

町を挙げリピーター獲得へ

 町は、毎週水曜日、全職員約260人が大会のロゴマークが施されたポロシャツを着用し、全公用車33台には開催を告知するステッカーを貼り付けている。9月中に町内の小学校で自転車教室も開催するなど、地元での盛り上げに懸命だ。


開催を告知するステッカーを貼った岡垣町の公用車

 9月15日に両市町の観光名所などを自転車で回るイベント、16日には大会に出場する県内のプロチーム「VC FUKUOKA」の選手たちと一緒に走行する企画も行われた。

 2020年に町を訪れた観光客は約33万人。ツール・ド・九州では23年、3県の沿道で計8万8300人が観戦した。町の担当者は「初めての開催で、どれだけ来ていただけるかわからないが、大会をきっかけに多くの方がリピーターになってほしい」と期待する。

 町は様々なイベントの費用について、ふるさと納税を使ったクラウドファンディング(CF)で寄付を募っている。目標額は仲介サイト「ふるなび」で300万円、「ふるさとチョイス」で200万円。いずれも開催当日まで受け付ける。

 イベントやツアーなどの詳細は特設サイトで紹介している。問い合わせは町おかがきPR課(093-282-1211)へ。

ゴールの宗像もにぎやかに!

 ゴール地点となる宗像市の宗像大社周辺でも10月14日、特産品などのブースや飲食スペースが設けられ、表彰式やステージイベントがある。道の駅むなかたでは、食と酒をテーマにした「むなかたバル」を開く予定。レースもライブ中継される。JR赤間、東郷駅から送迎バスを運行する。

 11日に「小倉城クリテリウム」が行われる北九州市では9月1日、JR小倉駅のJAM広場で、映像でレースを体験できる「バーチャルサイクリング」や選手のトークショーなどのPRイベントが開かれ、多くの市民らでにぎわった。


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