北九州市からお届け! 九州7県をかたどったクッキーが登場

発売された「九州地方クッキー」
記事 INDEX
- 区ッキーの縁で
- バランスがいい
- 目指すは「全国」
九州7県をかたどった菓子「九州地方クッキー」を、北九州市を拠点とするオンライン菓子店「あしかクッキー」が発売しました。地図会社のグッズ店などでも取り扱い中。あしかクッキーは「地方クッキーシリーズ 第1弾」と位置づけ、“全国制覇”を目指します。
区ッキーの縁で
あしかクッキーは、北九州市小倉北区のウェブサイト制作会社「ましじめ」が、2022年に新規事業としてスタート。元々、菓子作りが趣味だった同社のウェブデザイナー、田村奏子さん(45)が中心となり、夫で同社代表の田村章吾さん(42)と協力して独創的な商品を生み出しています。
23年夏、同市の7区を表現した「区ッキー」を発売したところ、市制60周年の節目と重なったこともあり話題に。JR小倉駅内の店舗や小倉井筒屋の店頭などにも並んでいるほか、市のふるさと納税の返礼品に採択されました。
地図大手・ゼンリン(北九州市)のグッズ店「マップ デザイン ギャラリー」にも並んでいます。「他の地方の商品もあったら、いいですね」――。グッズ店の担当者との雑談が、新商品につながりました。
バランスがいい
「できあがったクッキーを見ていると、九州はバランスがよくて、各県それぞれがユニーク。大分はかわいいネズミのようで、福岡は人の顔みたい」と奏子さんは目を細めます。「作ってみて、地形のおもしろさを改めて感じました」
当初は「区ッキーづくりと両立できない」と思っていましたが、次第に「やってみようかな」とチャレンジする気持ちが膨らんだといいます。地元の「九州」を題材に試作を重ね、約2か月で、見た目も楽しい九州地方クッキーが誕生しました。
区ッキーと同様に、章吾さんが3Dプリンターでクッキー型を作り、奏子さんがレシピを考案しました。地形を基にしているため、生地の型抜きでは抜きやすい部分や、苦労する部分が様々あるそうです。「『熊本』は安定感のある抜き心地です。『長崎』の北部は特に慎重な作業が求められます」と奏子さんは話します。
こだわったのは色合いです。ゼンリンが手がけた47都道府県のピンバッジなどを参考に、色みを決めました。福岡は明太子、佐賀は海苔(のり)、長崎はカステラ、熊本は阿蘇山、大分はかぼす、宮崎はマンゴー、鹿児島はさつまいもがモチーフです。
パッケージには区ッキーと同じく、長男の碧生(あおい)君(11)が描いた各県のイラストと文字を配置し、温かみのあるデザインに仕上げています。
目指すは「全国」
税込み864円で、24年12月16日に発売。約2か月で店頭を中心に200個を販売しました。春は旅行客が多く、進学や異動などで新生活が始まるシーズンで、土産品や贈り物としての需要も見込まれます。
「各県の出身者同士で、クッキーを片手に思い出話に花を咲かせてもらえたら本望です」と田村さん一家。「九州以外のエリアにもチャレンジして、ゆくゆくは日本列島に広げ、全国にクッキーを届けたい」。家族の夢は膨らみます。