北九州名物「ぬか炊き」がパンに!高校生のアイデアから誕生

ぬか炊きを使って完成したパン
記事 INDEX
- 若者向けの新しいパンを
- カレーパン風とケバブ風
- 北九州市長も絶賛の味!
福岡県立北九州高校(北九州市小倉南区)の「魚部(ぎょぶ)」で活動する生徒たちのアイデアから新しいパンが誕生しました。北九州市の郷土料理「ぬか炊き」を使ったパンで、サバやクジラを具材にした新商品が、8月16、17日に商業施設「リバーウォーク北九州」横の紫川周辺で開くイベント「紫川ウォーターランド」で販売されます。
若者向けの新しいパンを
水生生物の調査などに取り組む魚部。紫川も活動のフィールドの一つです。今回のイベントに向けて企画を練る中で、地元の食文化を知ってもらう案が出ました。そこから、サバやイワシといった青魚をぬか床で炊き込む「ぬか炊き」をベースに、若い人にも食べてもらえる新しいパンを開発するプロジェクトが6月にスタートしました。
「北九州らしい」「若者にウケる」「おもしろい」をテーマに、部員たちがアイデアを出し、市内の「ぬかだき橘屋」とベーカリー「グランドアムール」が商品化に協力。ぬか炊きの具材を何にするか、味付けはどうするか――など、試作と改良を重ねながら生徒たちの思いをカタチにしていきました。
カレーパン風とケバブ風
完成したのは、「小倉藩のカレーなる天守閣」と「キタっとピタっとパン」です。
カレーパン風の「小倉藩のカレーなる天守閣」は、サバのぬか炊きとカレーの味わいがベストマッチ。細かく刻んだタケノコのぬか炊きも加え、食感を楽しめるようにしました。ネーミングは、小倉藩の藩主がぬか漬けを好んで食べたとされることに着想し、小倉城の華麗さとカレーをかけたそうです。
「キタっとピタっとパン」は、サバのぬか炊きとクジラのぬか炊きを使った2種類。見た目や食べ歩きのしやすさを考慮してケバブ風にしました。サバは、レタスやタマネギなどのシャキシャキ野菜と一緒にさっぱり味わいます。クジラの方は、食べやすい味付けで牛肉のようなボリューム感が魅力。いろいろな具材をパンで一つにするように、様々な人が一つになって北九州をつくっていく思いを商品名に込めました。
開発に携わった3者をイメージして「魚」「パンの麦」「タチバナの花」を組み合わせたロゴマークも生徒たちが作成。イベントで販売する際に、商品パッケージに貼り付けます。
北九州市長も絶賛の味!
販売に先立つ8月8日、魚部、ぬかだき橘屋、グランドアムールの関係者が武内和久市長を表敬訪問しました。魚部の副部長で2年の矢狹朱人(やざま・しゅうと)さんらが商品化の経緯などを報告。矢狹さんは「おいしいパンを作ることができました。地元の食文化に興味を持ってもらうきっかけにしたい」と話しました。
3種類すべてのパンを実食した武内市長は「新感覚。イノベーションです」と絶賛し、「ぬか炊きにパンが合いますね」と驚いていました。
価格は「小倉藩のカレーなる天守閣」が税込み500円、「キタっとピタっとパン」はサバ、クジラとも700円。各日それぞれ50~100個を午前10時から販売し、なくなり次第終了します。イベント後の販売については、当日の売れ行きなどをみて検討していくそうです。