小倉昭和館が感謝のイベント 火災後の営業再開から2年

 北九州市小倉北区の旦過(たんが)市場一帯で起きた火災で焼失し、現地に再建された老舗映画館「小倉昭和館」が、営業再開から2年を迎えた。来館者数の伸び悩みという課題に直面しており、館主の樋口智巳さんは「この場所をもっと活用してほしい」と語る。

シネマカフェや会員制度 集客模索


営業再開から2年を迎えた小倉昭和館への来館を呼びかける樋口さん


 同館は2022年8月に発生した火災で焼失。映画監督や俳優らの応援を受け、クラウドファンディングで集めた資金や地元企業の協力もあって再建を果たし、23年12月19日に営業を再開した。しかし、この1年は、樋口さんが度々、来館者に「何でお客さんが来ないんだろう」と尋ねられる状況だったという。


 集客につなげようと、3月には市出身の平山秀幸監督の作品を特集した第1回「小倉昭和館映画祭」を開催。上映作品を鑑賞した後にゲストのトークを楽しめる「昭和館シネマカフェ」も定期的に開催し、11月には焼失前から通算して50回目に到達した。

 会員制度「昭和館メンバーズ」も昨年7月に導入。有効期限1年で入会金は2000円。封切り上映1900円の料金が1200円になる特典などがあるが、会員数は約300人にとどまる。

来館者増へ課題

 樋口さんによると、スマートフォンなどで手軽に映画を見られるようになったほか、従来は大手の配給映画に限って上映してきたシネコンが、制作規模が小さい作品も取り扱うようになり、昭和館独自の色を出しにくくなった。また、焼失前から支えてくれた常連客の高齢化が進んだことも影響しているという。

 樋口さんは「再建に向けては多くの支援もあって走り続けられた。今は、いかに、もっともっと喜んで来館したくなる場所にできるかが課題となっている」と危機感をのぞかせる。

12月27~29日「忘年会」など多彩に

 昭和館では営業再開2年の感謝の気持ちを込めたイベントを12月27~29日に行う。

 今年最後の上映日となる27日は、午前10時から「入国審査」と「フジコ・ヘミング 永遠の音色」、「Ryuichi Sakamoto:Diaries」「名探偵コナン 隻眼の残像」を上映。各回の先着50人に作品関連のグッズなどを贈る。

 28日は午後1~6時、県在住の作家、町田そのこさんの主催で「忘年会」を実施。町田さんが登壇したシネマカフェの上映会などが行われる。入退場は自由で、同3時半以降は飲み物の注文が必要。町田さんは「忘年会は昭和館を愛する人たちとワイワイやりたい。昭和館には、これからも営業を続けてもらい、私も通い続ける」と話している。

 29日は午後1~5時、旦過市場の買い物客らに利用してもらおうと、館内ロビーで「カフェ&バー」を開く。


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