高倉健さんが高校へ通った道 折尾・堀川運河を彩る黄色いタオル
北九州市八幡西区のJR折尾駅そばを流れる堀川運河に、2014年に亡くなった俳優・高倉健さんをしのぶ約230枚の黄色いタオルがはためいている。
運河の美化活動に取り組む市民グループ「堀川再生の会・五平太」(中村恭子会長)が毎年、高倉さんの命日・11月10日の前後約1か月間に飾り付けている。主演映画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」(山田洋次監督、1977年)で、たくさんのハンカチがはためく名シーンにちなんだもので、今年で9回目を迎えた。
福岡県中間市出身で、同区の東筑高校に進んだ高倉さんは、堀川沿いの道を通って登下校したという。高校の後輩でもある中村会長は「みんなが幸せになるようにという願いと、健さんへの敬意を込めて縫いました」と話す。
本当は映画と同じ"黄色いハンカチ"にしたかったが、入手が難しいことに加え、ハンカチは運河を通り抜ける風でロープに巻き付きやすいため、タオルを半分に切って縫い付けたという。色あせたり、汚れたりしたものは、順次替えていくそうだ。
堀川周辺の散歩を日課にしている同区の山田裕茂さん(69)は「あー、今年も健さんの命日が近付いたんだな、と感じます。映画の印象的なシーンを思い出しますね」と、鏡のような川面にタオルが映る様子を静かに見つめていた。
同会では10月29日の午後6~8時、堀川の両岸約100メートルにおよそ1000個の灯明を置き、川沿いの飲食店街を照らす予定だという。