大切な人と一緒に映画を楽しめる特別席 小倉昭和館に登場した「光石研シート」

 北九州市小倉北区の旦過市場そばにある小倉昭和館。その名の通り、創業した昭和初期の趣を色濃く残す映画館です。創業記念日にあたる8月20日、北九州市出身で名脇役として知られる俳優・光石研さんの名前を冠した特別な座席が登場し、お披露目式には光石さんから届いたビデオレターも上映されました。


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寄せられた支援を形に残るものに

 新型コロナウイルスの拡大で緊急事態宣言が出る中、親交のある小倉昭和館の苦境を知った光石さん。2019年度に受賞した北九州市民文化賞の副賞30万円を寄付したいと、館主の樋口智巳さんに申し出ました。

 「光石さんのほか、何人ものお客さんから寄付をいただきました。現金書留も届きました。みなさんの好意を、お客さんのためになり、形として残るものにしたいと考えました」。そんな樋口さんの思いから生まれたのが「光石研シート」です。


 シートが設置されたのは1号館。2人掛けのソファ6席で、最大12人がテーブルで飲食しながら映画をゆっくり楽しめます。新型コロナ対策のため席の間隔をあけて営業する中、親子や夫婦、カップルなどは一緒に座れるようにと考えられたペアシート。設置位置は後方の客席ですが、座り心地も見やすさも抜群です。


 光石研シートに追加料金はかかりません。誕生月であれば「バースデーシート」として、1人でも利用可能です。また、座席に余裕があるときは、売店の商品を購入すると1人でも利用できます。


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こだわりの商品をそろえた売店

 その売店では、映画館定番のポップコーンをはじめ、阿蘇のジャージー牛乳を使用した手作りアイスクリーム、有名菓子店Visavisのコラーゲン入りマドレーヌなどが人気です。障がい者自立支援ショップとコラボした塩キャラメル「シネマキャラメル」も映画のお供に購入されているそうです。


 ワールド・コーヒー・ロースティング・チャンピオンシップ2013で優勝した後藤直紀さんの店「豆香洞コーヒー」の昭和館オリジナルブレンドと、珈琲羊羹はお土産やプレゼントとして買い求める人も多いとのことです。



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街の人たちがほっとする場所に


 創業から81年を数える小倉昭和館。樋口さんは3代目にあたります。昨年2月から息子の直樹さんも映画館の仕事に携わるようになり、映写のほか、YouTubeなどの運用を手がけています。

 「先日行われた俳優の渋川清彦さんのオンライン舞台あいさつも、息子がいなければ実現しませんでした。コロナ禍の中、新しい試みで頑張れているのも息子のおかげ。2代目館主の私の父も、孫の仕事ぶりが嬉しいようです」。老舗映画館の歴史を紡いでいく4代目へ期待がかかります。



 往年の名画や隠れた名作、北九州初公開の作品など幅広いジャンルを上映し、根強いファンを持つ小倉昭和館。俳優や映画監督らを招いてのシネマカフェ、ダンスや音楽、サッカーなど他ジャンルとのコラボ企画などで、映画愛好者に加えて新たなファン層の開拓にも力を入れています。



 「街の様々なイベントなどとコラボすることで、それぞれが盛り上がり、街が活性化すると思うんです。いろいろな娯楽がある中、ここは街の人たちがほっとする場所でありたいですね」


 ※1号館はメンテナンスのため10月17日(土)~23日(金)は休館となります。


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