糸島観光は路線バスで! 昭和自動車が実証運行スタート

 昭和自動車(佐賀県唐津市)は4月6日から、福岡県の糸島半島沿岸の観光地を結ぶ新たな路線バス「糸島サンセットライン」の実証運行を始める。「夫婦岩」で知られる糸島市・二見ヶ浦地区と海水浴場や飲食店などが集まる同市・芥屋地区までの海岸線沿いをバスで移動できる。9月30日までの利用状況を踏まえ、本格導入を判断する。

二見ヶ浦―芥屋、海岸線を結ぶ



 福岡市西区と糸島市にまたがる糸島半島沿岸部は、海岸線沿いの風光明媚(めいび)な景色が撮影スポットとして人気を集めており、最近は海外からの観光客も増えている。一方で、二見ヶ浦地区は最寄りのJR九大学研都市駅(福岡市西区)から約9キロ離れているなど、交通の便が課題となっていた。


夕日に照らされる糸島市の夫婦岩

 同社は2022年7月、福岡市中心部から同地区への直行バス「ウエストコーストライナー」の運行を開始。利用客は順調に増え、23年には約5万5000人が利用した。特に、春休みや夏休みシーズンが多く、多い月は約6500人が乗車したという。

 一方で、糸島市内で二見ヶ浦地区と同様に人気を集める芥屋地区までは、既存の路線では周遊する手段がなく、JR筑前前原駅まで迂回する必要があった。観光客から「不便だ」との声もあがっていたことから、新しい路線の検討を始めることにした。

 実証運行では、「西の浦」(福岡市西区西浦)―「芥屋購買店」(糸島市志摩芥屋)の13.7キロを結び、途中で「二見ヶ浦(夫婦岩前)」、「野北」など主要バス停7か所に停車。平日は2往復、土日祝日は6往復する。

 二見ヶ浦から芥屋までの運賃は片道630円。実証期間中は、トヨタグループが開発したスマートフォンアプリ「my route(マイルート)」で購入できる「糸島半島1dayフリーパス」(大人1000円など)でも乗車できる。昭和自動車は「利用状況を見て、観光地近くの停留所も追加するなどして、利便性向上を図りたい」としている。


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