筑後市の船小屋鉱泉場を改修 開湯200周年を記念して

 福岡県筑後市の船小屋鉱泉開湯200周年を記念し、同市と船小屋行政区は、地区のシンボルとなっている船小屋鉱泉場を改修した。関係者は「鉱泉場では無料で取水できる。改修を機に多くの人に利用してほしい」と願っている。


新築されたあずまや(左)と改修された船小屋鉱泉場

 江戸時代、鉱泉場近くでは湧水の上を飛んでいたスズメが落ち、「雀(すずめ)地獄」と呼ばれた場所があり、住民らに恐れられた。しかし、病気を治すため湯を浴び続けた老人が元気になり、1824年春、井戸を掘り開湯したと伝えられる。

 全国有数の炭酸泉で、一帯は日露戦争中、旧陸軍の転地療養所に指定され、全国にその名が広まったという。鉱泉場に入湯施設はないが、多くの人が取水に訪れる。夏には、臨時の足湯を設け、観光客が楽しんでいる。

再塗装 あずまやを新築

 鉱泉場は明治時代からあったが、老朽化した建物を市が1990年、当時のイメージを引き継ぎながら改築した。今回のリニューアルは、筑後市制70周年記念事業の一環として実施。983万円の総工費で、壁や建物内部のタイル、天井を補修して再塗装し、隣にあずまやを新築した。

 同市商工観光課の担当者は「鉱泉をくんで、あずまやで休憩して周辺を散策してほしい」と期待している。


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