【鹿児島】ボンタンをサウナ、コーラに! 阿久根の団体が新提案

ボンタンの精油を使ったロウリュを楽しむ参加者たち

 鹿児島県・阿久根市特産のかんきつ類ボンタンの商品化などに取り組む有志団体「ボンタンプロジェクト(Bプロ)」は、地元企業などと協力しながら、ボンタンを活用したサウナとクラフトコーラで新しい楽しみ方を提案しようと動き始めた。ボンタンの活用方法と魅力を発信し、生産と消費の活性化を図る。

 Bプロのメンバーは、市内の30~50歳代のボンタン農家4人。最盛期には約550戸だった農家も後継者不足や高齢化で、今では約20戸に減少しているという。存続の危機にある阿久根のボンタンを未来につないでいこうと、これまでに、銭湯に浮かべるボンタン湯や果汁入りサイダーの開発に取り組んできた。

 今回は近年人気が高まっている、かんきつ類やスパイスで作る炭酸飲料「クラフトコーラ」に着目。クラフトコーラシロップも販売する水産物加工販売会社「下園薩男商店」(阿久根市)にボンタンコーラの開発を依頼した。同社と話を進める中で、ブームとなっているサウナも組み合わせることにし、ボンタンの表皮から得られる精油を活用したサウナの後にコーラを飲むという一体的な取り組みを試行することにした。


ボンタンのクラフトコーラの試作品

 8月18日には阿久根市鶴川内の川沿いにテント型のサウナを設置し、スパイスの配合を変えて刺激に差をつけた2種類のコーラを用意。反応や感想を今後の参考にしようと、市内外のサウナ愛好家やサウナを備えるホテル関係者ら15人ほどを招待した。

 参加者たちはテント内で、ボンタン表皮の精油を混ぜた水を熱した石にかけて蒸気を出す「ロウリュ」を体験。汗を流した後は川で体を冷やし、椅子にもたれてコーラを味わった。

 参加者の一人は「ボンタンの爽やかな香りで体も気持ちもリフレッシュでき、普段の疲れが吹き飛んだ。ボンタンを身近に感じるきっかけづくりになる」と頬を緩ませた。

 Bプロは今後、ボンタンを活用したサウナとコーラの導入を提案する。代表の盛永宏史さんは「新たな取り組みで阿久根のボンタンの知名度を高めて盛り上げていきたい」と意気込んでいる。


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